飲食店を経営する鈴木さん夫妻がこだわってつくった、オープンキッチンが主役のマンションリノベーション事例です。レストランの厨房のように料理ができるキッチンでは、リビングダイニングや子ども部屋で過ごす家族の気配も感じられます。工夫をこらした部屋同士のつながりや、通路を兼ねたウォークスルークローゼットなども、ぜひ、リノベーションの参考に。
すべての画像を見る(全15枚)キッチンには飲食店の知恵を詰め込んで
シェフとして日々腕を振るう夫がリノベでもっともこだわったのは、もちろんキッチン。ウッドワンというメーカーのⅡ型キッチンをベースとし、ビルトインのガスオーブンや高火力のガスコンロをプラス。自宅でもお店と同じように、おいしい料理をつくれるようになりました。
カウンターにオーク材を張った木の温もりあふれるキッチンは、バイブレーション仕上げのステンレストップで少しクールに仕上げています。
「料理は家族のためにもつくりますが、仕事の試作でつくることも。ご近所さんを呼んで試作料理を囲むのも楽しいんです」(夫)
キッチン背面にあるつり戸棚は、「使わないものを入れる場所にしたくない」(夫)という思いから、背の低い妻でも手が届きやすい位置に取っ手をつけた、縦長のデザイン。食器棚として、日々フル活用しています。
Ⅱ型キッチンには、引き出し収納も豊富。おもに食器をしまっています。「食洗機で洗い終わった食器をしまうとき、一歩も動かずに片づけができて、すごくラク」(妻)。食洗機と引き出し収納を、最大限まで開けてもぶつかることがない絶妙な設計で、家事の時短にもなりました。
夫が待望した、ハーマンのビルトインガスオーブン。「ガスオーブンはマストでした。使いやすくて最高!」と普段から家でも料理を楽しむ夫は、大満足のようです。
夫が気兼ねなく豪快に料理ができるよう、壁にはキッチンパネルを設置。油汚れもさっとふき取れて、きれいな状態をキープできます。
この住まいのデータ
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▼家族構成
夫40代 妻40代 長女9歳 次女7歳 -
子ども2人が成長してやや手狭になったことから住み替えを検討したが、希望に合う物件がなかなか見つからず、いま住んでいるマンションをリノベすることに -
専有面積/68.20㎡ 工事費/1440万円(税・設計料込み)
仕切りすぎず、各空間につながりを
キッチンから見たダイニング。壁沿いにはBISLEYのキャビネットに板を渡してつくった、妻のワークスペースもあります。
左手に見えるアールの開口部の奥には、ウォークスルークローゼットと夫の部屋があります。仕切りや扉はあえて設置せず、風通しも行き来もスムーズに。
自然光がたっぷり降り注ぐリビング。隣接している子ども部屋との仕切り壁には、木枠の室内窓を設置しました。「キッチンやリビングにいるとき、立つと中の様子がわかるけど、座るとお互いが視界に入らない高さと大きさにこだわりました」(夫)。
「朝起きて学校に行くときは、明るい部屋から出発させたい」という思いから、子ども部屋は明るい南側に配置しました。扉は引き戸にしたので、開け放っていてもじゃまにならず、子ども部屋とリビングとを気軽に行き来できます。