Q5 バスルームの設備は？
A.シャワーは浴び心地や流水の種類に、換気扇や給湯器は省エネ・多機能に注目。快適設備も多彩
●シャワー水栓・バス水栓について
節水機能が浸透し、手元で吐水・止水できるタイプが主流に。シャワーは「多彩な流水モードや大きいヘッドなどによる浴び心地を求める人が増えている」（タカラスタンダード）という回答が多く、とくにオーバーヘッドシャワーの注度は急上昇。
「両手があくので浴びやすく、短時間で温まれる点で高い評価」（TOTO）、「シャワー浴中心の場合はオーバーヘッドシャワー、お年寄りと同居の場合はタッチ式水栓など、条件に合わせて選ぶ傾向に」（A社）と、オーバーヘッドシャワーの採用率は高まっています。また、シャワー水栓やバス水栓はデザイン重視で選ぶ傾向も強く、最近では、インダストリアルインテリアを意識したデザインやカラーが登場しています。
●そのほかの設備について
換気扇は暖房や乾燥などの多機能タイプが人気で、「プラズマクラスター搭載の換気乾燥暖房機が多い」（A社）、「ミストサウナ機能つきも」（リンナイ）とのこと。
給湯器は「省エネや光熱費、災害時を考え、エコキュートの導入が増加」（トクラス）、「高い省エネ性のエコジョーズ（ガス高効率給湯器）の採用が多く、おふろの暖房やリビングの床暖房ができるものが増加」（リンナイ）、「ガス利用のマイクロバブルが多い」（アステック）など、省エネや多彩な付加機能に注目。ほかにも、手すりの設置をはじめ、「リラックスできる調光調色機能の照明」（TOTO）、「音楽や動画を楽しむ浴室音響システム」（トクラス）などにも関心が。
Q6 バスルームを取り巻く大きな変化はありますか？
A.くつろぎの場へと意識が変化し、デザイン・機能のほか、洗面室との一体感にこだわりが
バスルームに対する意識が、体を洗うことから、くつろぐ・過ごすということまで視野が広がり、求めるものにも変化が。「自宅にいながら非日常を感じられる、浴槽のバブル機能が好評」（パナソニック）、「上質でこだわりのある空間づくりが流行」（TOTO）など、機能やデザインにおいて、ラグジュアリーな要素を盛り込む傾向に。
また、「お気に入りのデザインであることや、洗面室とのコーディネートを重視するケースが多い」（タカラスタンダード）、「浴室と洗面室のテイストやカラーをそろえる」（TOTO）、「洗面と統一したデザインが増加」（アステック）と、洗面室との一体感にこだわるケースが顕著になっています。
Q7 新型コロナウイルス感染症対策による変化は？
A.自分に合ったくつろぎを求め、充足感が高まる機能・デザインに注目
外出自粛により「スーパー銭湯などに行っていた人が、非日常的なバスで入浴を満喫するケースが増加」（パナソニック）など、外での楽しみを自宅に取り入れるケースも。
また、「調光調色機能やオーバーヘッドシャワーなどの快適設備とともに、自動洗浄機能などの採用が増加。デザインはシンプルで天然素材をモチーフにした、こだわりの空間が流行」（TOTO）という意見もあり、バスタイムの充実と家事の時短の両立が重視されている模様。
ほかにも「アロマや美容グッズの利用、音楽・動画の観賞などでひとりの時間を楽しむ人が増加」（タカラスタンダード）などの回答が。さまざまにくつろげる多様性が求められているようです。
Q8 SDGsは浴室にも変化をもたらした？
A.節水・節電による省エネや、耐久性のある素材が関心事項に
取り組みは各社さまざまです。たとえば「省エネを重視した浴槽やシャワーの充実」（トクラス）、「保温性や清掃性を重視」（A社）、「各所に適した断熱材で天井、壁、排水トラップなどを包み込み、保温性を高めることが省エネに」（TOTO）、「強い洗剤の使用量が抑えられる、清潔素材やリサイクル可能な材質など、ロングライフが可能となる耐久性を備えた高品質なものを選ぶことが、社会貢献につながると考える」（タカラスタンダード）、「今後、住宅トレンドとして、環境に配慮した素材を用いたデザインが入ってくるので、バスルームのデザインにも取り入れられると思う」（パナソニック）など、興味深い意見が多く寄せられました。
※情報は「住まいの設計」2021年12月号取材時のものです
