子育ての悩みや地域の情報などを共有でき、ときにママ友は夫や親族以上に頼もしい存在です。
ESSE読者259人のうち、ママ友が「いる」と回答した人は185人。「ママ友」という言葉が持つマイナスなイメージとのギャップや、子育て世代をとりまく環境の本音を聞いてみました。
ママ友って本当に必要?子どもの成長とともにママ友との関係に変化が生じることも…
「ママ友トラブル」など、マイナスなイメージもある「ママ友」という存在。でも、同じ子育て中のママ同士、いてくれて本当によかった…! というケースも。
●たとえ半年に一度のつき合いでも!いざというときに頼れるママ友
「子どもが大きくなったので今会うのは半年に一度くらいなのですが、震災のときに職場から帰れない私に代わり息子を保護して家に泊めてくれました。夏休みに忙しくてどこにも行けない私の代わりにキャンプに連れて行ってくれたことも。息子を目撃するとあとから報告してくれるので、塾をサボってることが判明したときもありました。安心できます」(神奈川県・アルバイト・44歳)
一方で、そもそも公園デビューや保育園に入学したての幼い子どもたちのママからは、「どうやったらママ友をつくったらいいの?」と、初めての経験に悩んでいる人もいました。
●ママ友がいなくて情報が集まらない!
「ママ友と呼べる人がいないので、保育園の状況や行事や流行病などの情報を集めるのが難しいです。イベントのときに1人になってしまうので、だれかと楽しい時間を過ごせたらいいのにと思います。子どもがほかの子に変なことしてないか気になったりもしますが、よく知らないママに話しかけたりもできず…。ママ友ってどんなきっかけでできるの? 自分から話しかけるのが苦手な人は、どうやってママ友に誘ってもらったりしているのか体験談が聞いてみたいです」(東京都・会社員・34歳)
まだ子どもが小さいうちは、無理にランチにいける「ママ友」を! と肩ひじをはらず、自分と似たような雰囲気の人とか同じような趣味を持っている人と、普通ご挨拶を交わしたりして世間話をするなかで、気が合う人を見つけられるといいかもしれませんね。
●ママ友との年齢差が気になって気を遣う…
「私は元々コミュ力がない上に、長女の学年だとほかのママさんたちと年齢が10歳近くあることが多かったです。どうしても気軽にいけず敬語で話し、素も出せないので、距離が縮まりません」(神奈川県・主婦・30歳)
親しき仲にも礼儀ありというように、子ども同士が同じ学年であっても、自分より年齢が上のママ友には敬意を払う意味であえて敬語を使うようにしているという人も。
●卒園とともに連絡を取らなくなってしまうケースも多い
「保育園のお便りを読んでもよくわからないことを簡単に確認できる相手がいません。一人だけ気の合う人がいて、連絡先を交換したけれど、保育園を卒園してから共通点がまったくなってしまい、連絡を取らなくなりました…。こんなことなら連絡先を交換しなければよかったと思っています。今は、夫が最強のママ友だと思っています」(千葉県・会社員・32歳)
この方は、児童館でよく会う人とか、子どもが小さいうちに出会った人とは、子ども同士すごくよく遊ぶわりに、成長したら絶対連絡をとらなくなるので、自分からは連絡先を交換しないと決めたそう。子どもをとおして知り合ったママ友が、一生の友達になれる場合もありますが、子どものライフステージの変化とともに疎遠になってしまうことも少なくない様子。
●小学校高学年にもなると、もはやママ友はいらない?
「ママ友がいないので、近所の歯医者などの情報や、学校の持ち物で迷うときに聞けなくて困ります。いないと孤独で困るのかと思っていましたが、もう小学6年生になったけど意外と平気なもんだなとも思います。トラブルで病んだりするくらいなら一人でもいいと思います」(神奈川県・会社員・38歳)
「子どもが高校生になり、ママ友と会う機会はぐっと減りました。みんな仕事をしていて忙しく、なかなか会えません。年に数回ランチをするくらいです。子育ての悩み、進学の悩みなど、情報交換はやはり大事です」(群馬県・講師・42歳)
子どもが成長して、ある程度自分のことが自分でできるようになると、ママたちの出番も減っていきます。成長とともに、だんだんとママ友とのつき合いが薄まってしまったというケースは、決して珍しいものではありません。しかし、それでもママ友つながりがあったからこそ、大きくなってからも助かっているという声もありました。
LINEは必須?イマドキのママ友同士のコミュニケーション事情とは?
「ママ友って必要なのかな? と思うときがあります。だいたいが夫の不満やママ友とのトラブルなどマイナスな内容が多いからです」と語るのは、東京都の主婦・Hさん。
ママ友という女性同士の独特なコミュニティの世界に不安を感じる人は少なくありません。しかし、実際は「ママ友の存在が支えになっている」とプラスな側面も少なくないようです。
●気の合うママ友と、ランチやお茶をすることが息抜きに!
「3か月に1回くらいランチをします。子育ての悩みや愚痴、学校の情報交換などで気分がリフレッシュできます」(岐阜県・主婦・45歳)
「週一度ぐらいはお茶したりするなど、必ず顔を会わせます。一緒に旅行へ行ったときは、大人も子どもも楽しめました」(東京都・主婦・45歳)
夫や親戚よりもほどよい距離感で話ができるママ友。カフェなどへ外出しておしゃべりするだけで、いい気分転換になっているという声がたくさんありました。
●子どもの習い事が同じで定期的に顔を合わせるママ友
「子どもの習い事のお迎え時によくおしゃべりをしてます。市のイベントや、習い事情報を教えてもらえることです。それぞれ上の子がいたり、習い事もさまざまなので、助かります」(神奈川県・主婦・34歳)
「習い事の待ち時間に会ったときなど、ママ友とお茶をしたりしています。私に用事があって、夫も仕事で不在の際には、同級生のママ友が子どもを預かってくれました。停電のときも、マンション住まいで復旧しているママ友が家まで迎えに来てくれ、洗濯や充電をさせてくれて助かりました」(埼玉県・主婦・43歳)
停電や断水など災害時の不安なときにも、身近なママ友は強い味方に。今回のコロナ禍で自粛中にも、連絡を取り合いながら励まし合ったという人も。
●ママ友づき合いにはLINEが必須!?
普段からLINEを使わずに生活していた東京都の自営業・Aさんは、子どもがいる同級生から「やばいよ、それ。子どもできたら、ママ友にハブられるよ! ママ友って、ランチ代とかもLINEで1円単位まで割り勘にするんだから」と忠告されてびっくりしたそう。
ママ友のリアルなコミュニケーションツールってどんなSNSなのでしょうか?
「ほぼ毎日LINEでやり取りしています。生協の役員を一緒にやろうと誘ったので、週1回以上は直接会ったりもしています。下の子を妊娠中も一緒に遊びに行くことが多く、トイレ行く間に上の子を見てくれたりたりも。妊娠中でしゃがめないので、靴を履かせるときや荷物持ちなど助けてくれました。両親が近くにいないので、頼れるママ友は最高です」(福岡県・主婦・39歳)
「なにかあるとすぐにLINEでコミュニケーションを取っています。頻繁に集まったり会ったりはしませんが、程よい距離感でとても心地よいです。子どものことで困ったときに連絡をして助けてもらったり、逆に相手が大変そうなときは気軽にお助けLINEをしてみたり。夫以外に子育てで頼れる存在です」(北海道・主婦・35歳)
●海外のママ友はFacebookが多い
「月1回くらいFacebookの投稿にコメントし合ったり、近況報告をしています。夫の海外赴任について行ったときは、子どもグッズの売っている場所、公園の場所といった子どもの情報から、生活情報までいろいろ教えてもらいました。会社で家族連れの在住者が初めてだったことから、先に生活されていた方の優しさは身にしみました」(滋賀県・アルバイト・39歳)
LINEが浸透しているのは、意外にも日本と韓国くらい。欧米系へ赴任しているママ友とはFBを通したやりとりが多いという意見もありました。
●インスタグラムでママ友ができた!
「インスタで育児のアカウントをつくったら、友だちが増えました。コロナの前までは、実際に会ったりもしていました。日々の更新を見たりできるのでよいです。LINEだと返信しなきゃ…と思うけど、それを考えなくていいところがインスタのよさです」(神奈川県・主婦・31歳)
LINEの即レスしなければならないプレッシャーが苦手な人は、インスタのほうが落ち着くという声も。
「会ってお茶をしたり、LINEでやり取りしたり、お互いのインスタにコメントをしたりもします。子育ての悩みを共有でき、おしゃべりをすると気持ちがリフレッシュ。困ったときは子どもを預かったり、預かってもらったりお互いさまで助け合いをしています」(東京都・フリーランス・45歳)
SNSをフォローし合っていると、お互いの近況を事前に把握できるので、直接会ったときのおしゃべりもスムーズというメリットもありそうですね。
●SNSで人間関係が丸見え?親しいママ友とは電話派
「1人のママ友とは会うよりも電話をすることが多いです。月に1・2回長いと3時間くらいおしゃべりしてしまいます」(神奈川県・主婦・41歳)
だれとつながっているのかママ友同士の人間関係が丸見えになってしまうSNSに抵抗を感じるという人もいました。仲がいいママ友とは直接、会話して声を聞く方が落ち着くのかもしれませんね。
昔は大家族が主流で、子育てをサポートしてくれる頼もしい身内が近くにいました。しかし、核家族化が進んでいる現代の子育て家庭において、母親たちが、ママ友の力を借りながら、ときには協力し合って、一緒に子どもを育てることに合理的なメリットがたくさんあるようです。