夫婦の出会いにコンプレックスはありますか? 「恋愛結婚していたら、もっと違う家庭を築けたのでは」と考えて、苦しくなるときもあるかもしれません。そのような気持ちとは、どのように向き合っていけば良いのでしょうか。

漫画家、エッセイストの瀧波ユカリさんに、読者から実際に寄せられたお悩みをズバリ解決してもらいました。

家族に対して劣等感。それは自分のことが好きじゃないからかも

【お悩み】お見合い結婚したことにコンプレックスがあります

イラスト恋愛結婚だから
ああ、劣等感
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最近、娘の幼稚園のママ友のほとんどが恋愛結婚だと知り、お見合い結婚した自分に劣等感を抱くようになりました。ママ友のダンナさんは明るくさわやかで、はつらつとしていてステキな方ばかり。

わが家の夫婦関係は悪くないものの、お互いに関心がないようで会話も盛り上がりません。そんな私たち夫婦の関係が影響しているのか、子どもは、ほかの子に比べて積極性に欠けて…。「恋愛結婚していたら、もっと違う家庭を築けたのでは」とつい考えてしまいます。(埼玉県・36歳 夫37歳、長女6歳、二女3歳)

<瀧波さんからのアドバイス>憧れを感じる対象を演じてみる

夫との出会いにコンプレックスをもっている人って、けっこういます。「ネットで知り合ったなんて人に言えない!」とか、わりとよく聞く話です。

でも、問題はもっと別のところにある気がするんですよね。コンプレックスを感じているのはお見合い結婚ではなく、「ステキじゃない自分たち」に対してではないでしょうか? ママ友のダンナさんたちはステキなのに、うちの夫はそうじゃない。よそのお子さんは明るく元気なのに、うちの子どもはそうじゃない。もちろん、自分自身も…。そんな劣等感を直視するのが怖くて、すべてはお見合い結婚のせいだと思い込もうとしている。そんなふうに私には思えるんです。

家族に対して劣等感をもつのはなぜか? それはきっと、自分のことが好きじゃないから。自分を愛していないし、自信もない。だから自分が築いた家族にも自信がもてなくて、ほかの家族がよく見えてしまう。それってきっとしんどいし、苦しいと思うんですよ。だから、どうかそんな劣等感を捨てて、家族をあるがままに愛せるようになってほしいです。でもそのためにはまず、自分自身を好きにならなければなりません。

イラスト自分から変わってみよう!

では、どうやって自分を好きになるか? 簡単です。憧れを感じる対象に、自分を寄せていけばいいんです。

よそのダンナさんが「明るくさわやかで、はつらつとしていてステキな方」でうらやましく感じたのなら、自分自身がそういう人になるんです。演技でもいいから、いつもニコニコして、明るい声で話し、たくさん笑う。そうすれば、すぐにでも「明るくさわやかで、はつらつとしたステキなお母さんがいる家庭」になるんですよ。そんな風景を想像してみてください。ステキですよね? しかもそれは、実現可能なことなんですよ!

恋愛結婚だったらもっと…と実現不可能なことを思いながら暮らすより、まず自分を変えましょう。そうすることで夫婦関係がよくなるかもしれないし、お子さんにもよい影響があるかもしれません。でもそれは、おまけみたいなもので、「私ってステキだし、私の家族もステキ!」と思えるようになることが、なにより大事だと私は思います。少しずつでも自分を好きになっていけたらきっと、「お見合い結婚だから…」という気持ちはなくなります。もしかしたら長い道のりになるかもしれません。でも、まずはスタートラインに立つこと。気持ちを切り替えてみてくださいね。応援しています!

【瀧波ユカリさん】

1980年、北海道生まれ。漫画家、エッセイスト。アニメ化もされた『臨死!! 江古田ちゃん』(講談社刊)でデビュー。著書に『

30と40のあいだ

』(幻冬舎刊)『

ありがとうって言えたなら

』(文藝春秋刊)など