がんばっていても、なかなか評価されない家事労働。
放送作家で、お笑いコンビ・2丁拳銃の川谷修士さんの妻でもある野々村友紀子さんは、ほかの家族からは見えにくい“名前のない家事”をリスト化して話し合ったところ、夫が自主的に家事をやるようになったそう。
ここでは家庭内でうまく家事分担するためのコツを伺いました。
家事分担のコツは、お互いの家事のやり方に口出ししないこと
●家事のやり方は人それぞれ!過程ではなくゴールを共有する
「家事や育児は女性の方が向いている」という思い込みが、まだまだ根強い日本。でも野々村さんは「夫が家事をやってこなかったから、妻側に経験値が積み重なっただけ」だと断言します。
いざ家事分担をしようとしても、今まで家事をやってきたエキスパートである妻と、これから始める夫では、スキルに違いが生じることも。
「私も夫の家事について『ものたりないな』と思うことはあります。たとえば、率先して家事をやるようになったとはいえ、洗った食器をふいたあとのふきんを広げて干すところまでは、夫の家事レベルは上がってない。
けれど、それを直接指摘したら、夫も気分がよくないと思うんですよね。家事のことになると、『こっちがプロやねん!』という目線で夫をチェックしてしまいがちなのですが、自分のやり方が正しいと相手に押しつけるのはやっぱりよくない。なので、注意するよりも、ちょっとずつでいいから自分で気づいてレベルアップしてもらうようにしています」
自分で気づいて学んでもらうことは、やる人の個性で家事の方法をカスタマイズすること。ストレスなく毎日の家事を続けるには、そうやって、自分が負担を感じにくい家事の方法を知ることが肝心です。
「私も夫も、自分に向いた家事のやり方はそれぞれ違うと思うんです。たとえば、私は鏡を常にきれいにしておきたい派なのですが、いつでも掃除できるように道具を近くにセッティングするのは、いかにも“家事をするぞ”というプレッシャーを感じてしまって、逆に掃除のハードルが上がってしまう。だから使ったあとのタオルなんかでサッとすませてしまいます。でも、掃除道具を用意した方がやる気が出る人もいて、人それぞれ。
夫は今まさに自分なりのやり方をつくっていこうとしている。私もそういうふうに自分なりのやり方をつくってきたので、家事については“最終的にこうなっていればいいよね”というゴール地点だけを家族で共有しておくようにしています。そこさえ押さえていれば、過程は問いません」
●リストにしてわかった夫の方が得意な家事のジャンル
一方で、すべての家事において、妻が夫に優っているなんてこともありません。
野々村さんが家事リストの作成をおすすめする理由のひとつに、夫婦の間でお互いが得意な家事がわかったことがあります。