夫婦間での、家事分担への意識のギャップが話題になっています。
なぜ夫には妻が忙殺されている家事の大変さがわからないのか、その理由と解決法を探るべく、お笑いコンビ・2丁拳銃の川谷修士さんの妻で、放送作家の野々村友紀子さんに今話題の『夫が知らない家事リスト』についてお話をうかがいました。
放送作家・野々村友紀子さんに聞いた!夫が家事を分担しない理由
●世の夫は家事を「掃除」「洗濯」「炊事」「育児」の4種類しかないと思っている!?
家事は終わりがなく、細かく、多岐にわたる過酷な仕事。
なのに、仕事や育児でクタクタになりながら、疲れた体にムチ打って家族のために料理をしても、「今日、これしかおかずつくれなかったの?」「弁当なんて3分でつくれるでしょ?」なんて言われてしまったり、自分でも「なんでちゃんとやれないんだろう」と自己嫌悪に陥ってしまったり…。
家事が評価されづらいのは、なぜなのでしょう。
放送作家として多忙な毎日を送りながら、夫、自分、子ども2人の4人家族の家事をこなしてきた野々村友紀子さんは、その理由を「家庭の家事の大半は、無数に存在する“名もなき家事”が占めているから」だと、最新エッセー『夫が知らない家事リスト』(双葉社刊)のなかで指摘しています。
「家には、“名前のない家事”が多数存在しています。たとえば、洗濯は“服を洗濯機に入れてボタンを押して終わり”じゃない。洗って干してたたんで…という大きな流れと、家族が裏返しに脱いだままの服を戻す、汚れている部分を事前にしみ抜きする、色ものとそれ以外を分けるといった、無数の“名もなき家事”の集合体なんです。さらに、濡れた傘を乾かしてたたむというような、掃除・洗濯・炊事・育児には分類しにくい作業も、立派な家事。
でも男の人って家事についてのイメージが漠然とし過ぎていて、掃除、洗濯、炊事、育児の4種類しか認識してない人が多いと思うんですね。だから、名前のない家事を抱え込んでいる妻の大変さがわからない。結局“こちらは大変なのになんでやってくれないの?”という不満が妻にばかりたまってしまい、ケンカになることも」
●家事の流れがわからない夫に「お願い」しても主婦のイライラは減らない
不満を溜めて爆発するくらいなら、「ちょっと、これ手伝って!」とお願いしてくれればいいのに…という男性陣の声が聞こえてきそうですが、多くの夫は家庭の家事の流れがわかっていないため、女性の負担は減らないという野々村さん。
「夫に家事をお願いしたり、こっちのイライラを感じ取った夫が手伝おうとしてくれても、普段家事をしていない場合って、自分が知っている目に見える家事だけやろうとするんですよね。
でもそれじゃ、妻がやらなければならない莫大な“名前のない家事”は減らないんですよ。夫が洗い物をしてくれたあと、ビショビショになった床は誰がふくと思ってんねん! という。だからそのときだけ皿を洗ってもらったところで、同じことの繰り返しになっちゃうんです。お願いするのにもけっこう神経を使うわけで、結果が出ないのに、疲弊感だけ残ってしまう。
そうしているうちに、イライラが募ると、つい大きな音でフライパンを置いてみたりしちゃって、夫が『なんか手伝わなあかんのかな』とスマホから顔を上げる。で、その顔にまたイラッとするんです。夫が『手伝おうか』と言ってきても、『もういいよ、今さら!』とつっぱねちゃったりして、不穏な空気が家庭に流れ始める」
野々村さんも「私ばっかり家事をして、損している」という気持ちになってしまい、旦那さんとケンカすることも増えていったそうです。
しかし、その不満が大爆発して生まれた「家事リスト」が、野々村さん一家の生活を一変させました。