冷えと乾燥が気になるこれからの季節。元気に、快適に過ごすためには早めの対策が肝心です。そこで、管理栄養士の藤内薫さんに、今からできる冷えと乾燥の対策を教えてもらいました。

飲み物を温かいものに切り替える

飲み物を温かいものに切り替える
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 いちばん手軽にできるのは、冷たい飲み物をとるのをやめ、常温や温かい飲み物に切り替えること。これから秋が深まるにつれて、乾燥がすすみます。白湯やハーブティーなどを小まめに飲むのがおすすめ。ただし、いくら温かくても、カフェインが入った飲み物は利尿作用があり、体の水分を外に出してしまうのでほどほどにしましょう。

体を温める食べ物をとる

体を温める食べ物をとる

 食べ物も、冷たい料理から温かい料理にシフトチェンジを。たとえば生野菜中心の食生活なら、温野菜中心の食生活に切り替えましょう。

 そして、そもそも体を温めてくれる食材をとることを心がけます。たとえば、「大根は体を冷やし、ニラは体を温める」というように、中医学の考えでは、食べ物を「体を温めるもの」「体を冷やすもの」そして「どちらでもない中庸なもの」の3つに分けています。それぞれの食材の例は次のとおりです。

・体を温めるもの→ニラ、ネギ、ショウガ、カボチャなど

・体を冷やすもの→キュウリ、大根、トマト、ナスなど

・どちらでもない中庸なもの→キャベツ、ジャガイモ、チンゲンサイ、ブロッコリーなど

 まずは体を温めるものを選ぶ、というのが好ましい方法ですが、それだけで献立をつくるのは難しいこともあるでしょう。「体を冷やすもの」であっても、火をとおしたり、乾燥させることで、その働きは弱くなります。たとえばサラダにしていた大根を、スープやみそ汁の具に使うようにする、というように、食べ物を体調と季節に合わせて味わい、楽しめばいいのです。

 さらに体の冷えが気になる場合は、体を温める働きの強いショウガやネギなどの香味野菜を料理に使いましょう。そして、水溶き片栗粉でとろみをつけ、冷めにくくした汁物や、あんかけの料理を取り入れて体を温めても。

タンパク質を多く含む食事を

タンパク質を多く含む食事を

 肉や魚、卵や大豆製品、乳製品などに含まれるタンパク質は、糖質や脂質に比べて消化吸収されるときに、多くの熱を生み出します。たとえば朝食がトーストなら、ホットミルクをプラスする、ランチがパスタなら、シンプルな麺のメニューでなく肉や魚が入ったものを選ぶなど、毎食1つはタンパク質をとるように心がけます。タンパク質の入った食べ物を取り入れることで、体が温まるのを感じてみてください。体が温まると血行がよくなり、体の隅々まで栄養と酸素が運ばれ、老廃物の排出もスムーズになりますよ。

 これらのことは、寒さや乾燥が本格的になる前に、早めに取りかかることをおすすめします。食べ方、飲み方を見直してこれからの季節を元気に過ごしましょう!