フィンランド人の男性と国際結婚をし、3児の母としてグローバルな子育てをしているルミコ・ハーモニーさん。親子での国際交流を支援するNPO法人でも活躍するルミコさんが、さまざまな海外事情を紹介してくれます。
今回のテーマは、家庭で再現できる海外レシピです。ますます国際化する職場や教育現場でスマートに交友関係を広げたいなら、やっぱり食べ物の話が効きます! 相手を知るためにも、まずは食文化の予習をしてみませんか。

食文化
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所変われば食文化も変わる!海外でびっくりしたこと

これまでさまざまな場所で暮らし、そのたびに現地の食文化に驚いてきました。

ブラジルへ移住した際は、おみやげにもなかを持って行きました。早速差し出そうとしたところ、友達のブラジル人が「いやー、豆が甘いのだけは許せないんだよね~」と言い出したので、そっとそのおみやげをカバンに戻しました。そんなブラジルでは、フェジョアーダという豆料理を主として食します。
そこで思いだしたのが、「米が甘い」問題。20歳の頃、イギリスにホームステイしていたのですが、ホームステイ先で出されたお菓子「ライスプディング」が、私はどうしても食べられませんでした。「米は主食で、しょっぱいものと一緒に食べるもの」という固定概念から、どうしても抜け出せなかったのです。

ブラジル滞在中のこと、コロンビア人家族が自宅に招待してくれたことがありました。その日のメニューは、トウモロコシの粉の団子と、トウモロコシの粉のトルティーヤと…って「全部トウモロコシやーん」とつっ込んだら、夫がすかさず「日本人も、大豆の上に大豆ですよね、冷ややっこにしょうゆとか…みそ汁に豆腐とか…」と冷静に返して、妙に納得したものです。

そんな私も、世界を旅したり、世界のさまざまな人と食事を一緒にしたりするうちに、どんどん許容範囲が広がり、米がサラダになっていても、ライスプディングになっていても、今ではおいしくいただけるようになりました。

おもてなしにさっと取り入れたい海外料理レシピ

これまで食べてきた海外料理でもとくに気に入ったものは、わが家のメニューに取り入れてきました。ここではそのなかから、おもてなしにもぴったりなレシピを3つご紹介したいと思います。

おもてなしにぴったり
●キャロットロペ(フランス)

日本のデリなどでもよく見かけるようになったキャロットラペ。見栄えがよく、おかずにもおつまみにもなる一品です。

【材料】

ニンジン 2本
酢 大さじ5(バルサミコ酢だと、より現地の味らしくなります)
オリーブオイル 大さじ2
黒砂糖 大さじ1/2(バルサミコ酢を使用するなら不要)
塩・コショウ 各少々

【つくり方】

ニンジンを生のまま千切りにし、酢、オリーブオイル、黒砂糖、塩コショウと混ぜてあえるだけ。ポイントは、千切りスライサーを使用して、麺のような極細千切りにすることです。レーズンやスライスアーモンドやクルミなどを入れると、よりおしゃれでおいしいです。

●バターチキンカレー(インド)

手軽に手に入れられる食材で、インド料理店の味が再現できます!

【材料】

鶏モモ肉 1枚
A[プレーンヨーグルト(無糖)100g カレー粉大さじ1]
バター 大さじ3
ショウガ、ニンニク(すりおろす) 各小さじ1
カレー粉 大さじ1
トマト缶 1缶(400g入り)

【つくり方】

鶏モモ肉をひと口大に切り、ポリ袋にAと一緒に入れてよくもんだら、3時間~1日漬けおきます。鍋にバターを熱してショウガとニンニクを炒め、カレー粉を加え、粉っぽさがなくなるまで炒めます。漬け込んでいたモモ肉を、液ごと鍋に投入し、さらにトマト缶も入れて煮込みます。途中で煮つまりすぎたら、水を追加しながら1時間ほど煮込んで完成。

●セビーチェ(ペルー)

セビーチェ

南米の逗留で、最大の発見はこのセビーチェでした。新鮮な魚介と野菜をあえた料理です。ブラジルでは主に肉と豆を食すのですが、魚が食べたい欲求が抑えられず、フェイラと呼ばれる市場で魚を一匹丸々購入しては、せっせとこのセビーチェをつくっていました。

【材料】

白身魚の刺身 1サク
タマネギ 1/2個
パクチー 1袋
A[ライムまたはレモン、パッションフルーツ適量 塩コショウ各適量]

【つくり方】

魚の切り身はひと口大に、タマネギとパクチーはみじん切りにし、ボールに入れます。味をみながらAを好きなだけ加え、混ぜ合わせればできあがり。好みでトマトやアボカドを入れてもいいです。
チリのイースター島で食べたセビーチェにはココナッツミルクもあえてあり、おいしすぎてまるで天国の食べ物でした。ぜひお試しください。