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「こども食堂」支援に私たちがいまできること。地域コミュニティの活性化へ

2021.07.19

昨今、「こども食堂」というキーワードをメディア等で耳にする人も増えたのではないでしょうか。こども食堂は、地域の子どもを始め多世代の住民が、無料または低額で食事ができる場所です。単に食事をするだけでなく、“つながり”を実感する場所として、今急速に広がりを見せています。

こども食堂
こども食堂の様子

このこども食堂をサポートするのが、認定NPO法人 全国こども食堂支援センター・むすびえです。こども食堂は現在、どのくらい浸透していて、どのような人が利用しているのでしょうか?「むすびえ」の理事長をつとめる湯浅誠さんに教えてもらいました。

こども食堂は、多世代が交流できる地域の“居場所”

湯浅誠さん
こども食堂をサポートする「むすびえ」理事長・湯浅誠さん

「こども食堂は、’20年12月時点で、全国に4960か所ほどあります。’15年頃からメディアで取り上げられたのを機にさまざまな企業さんからご支援の申し出をいただけるようになり、’16年は約300カ所だった拠点が、4年間で16倍に増えました。なお、行政サービスの児童館は全国で4500カ所程度ですから、数としては児童館を上回るほどの広がりを見せています。

こども食堂は、『子どもが一人でも行ける無料、または低額で利用できる食堂』と定義されています。子どもが「一人でも行ける」というところがポイントで、実は子ども専用食堂ではありません。0歳から100歳以上までの方が来られる多世代交流の場であり、地域の居場所です。その良さを生かしながら、厳しい経済状況にある子どもやご家庭にも関わっていきたいというのが基本的なスタンスです。

もし対象を“貧困の子ども”に限定してしまうと、どうなるか。地域の方はもちろん、当事者の親子でさえも周りの目を気にして行きづらくなると思いませんか? 誰もが『自分には何の問題もありません』という顔で出入りできることが大切なのです。

こうして間口を広げて多様な人と過ごすようになると、厳しい境遇に置かれている子どもに出会うことがあります。その時に対処できることが、こども食堂の強みの一つです」(湯浅さん、以下同)

●こども食堂を通じて、人とのつながりを実感してほしい

救われるのは、子どもたちだけではありません。地域社会や高齢者にも恩恵があるといいます。

子どもたち「こども食堂が近所にできたことで、『久しぶりにわいわい騒ぐ子どもの声を聞いた』という方は、全国にたくさんいます。裏を返せば、それだけ地域は活気を失っていたということです。

人とのつながりが失われると、こと高齢者はたちまち孤立します。また、シャッター商店街と化した地域や事実上活動停止にある自治会も、全国では多数存在します。そこに、『誰でもウェルカム』な居場所ができた途端、人が集うようになり、活気を失った地域の光明になりえます。

その意義に気づき、動き出した地域も出てきています。ここ数年顕著なのは、自治会やお寺がこども食堂を始めるようになったケース。地域交流は本来自治会の仕事でしたし、お寺もかつては地域住民が集まる場所として機能していました。そうした方々が、『我こそがやるべきだ』と立ち上がってくれたのです。

地域のつながりを実感できる場がないと存続問題にかかわるのは、流通業も同じです。すでに幾つかのスーパーマーケットは、こども食堂の場を提供してくださったり、店頭募金を通じてこども食堂に寄付をしてくださっています。ドラッグストアも、高齢者のためのカフェをつくったり、一部店舗をモデル店舗としてこども食堂との絡みを実践されています。これから人口が減り、購買力が落ちていく中で、いかに選ばれる商品になるか。商品そのものの魅力はもとより、地域に愛される店舗展開をしていかないと生き残れないのが今の日本の現状なのかもしれません」

「こども食堂」について詳しくはこちら

ESSE読者の私たちができるこども食堂への支援とは

この「こども食堂」をサポートする「むすびえ」に対して、ヨーグルトをはじめとした食品を提供している企業「明治」と、地域の生活や活性化を支える全国約190社のスーパーなどの小売業各社とが連携し、「明治プロバイオティクスヨーグルト」の売り上げの一部を寄付する取り組みが行われることになりました。

話し合う様子
左:明治 執行役員マーケティング本部長・中村高士さん

その想いや、これからの「こども食堂」の課題などを「むすびえ」の湯浅さんと「明治」の執行役員 マーケティング本部長 中村さんに話していただきました。

●「こども食堂」への理解度に地域差

湯浅さん:「こども食堂のように人が集まる場所は、密の典型。我々の調査では、コロナ禍の今、全国で4960か所あるこども食堂のうち、運営が再開しているのは12%ほどしかありません。残り9割のうちの半分は食材や弁当の配布でなんとかつながりを続けようとしています。我々も小児科学会の協力のもとチェックリストを作って、厚労省の後援で感染症対策の実施マークも広めるなどして、感染症対策を徹底しながら再開させようと踏ん張っているところです。

そんな状況下でも、埼玉県、滋賀県、奈良県、沖縄県の4県は、県下の小学校区、ひいては全国にこういう場所を作っていこうと宣言しています。一方で、こども食堂のことをよく知らない県もあり、認識のバラツキがあるのは事実。中には、こども食堂は『不要不急の会食』とみなされるところあります。新しい社会現象なだけに、地域の皆さんに理解が浸透していないのはやむを得ないとしても、今後いかに地域と社会にこども食堂を根付かせるかは大きな課題です」

中村さん:「『食を通じて人々の健康に貢献する』をテーマに掲げる弊社としても、安定的にこども食堂が開かれ、お子様から高齢者の方まで食事の提供が続くように協力をしていきたいという想いです」

●多様な人と触れ合うことで身につく力

湯浅さん:「地域はコロナ禍で人との関係も疎遠になってきています。孫は帰省できないけれど、地域の子どもと関わるようにしたいというのは、地域の高齢者が抱く切実な思いです」

中村さん:「多世代が交流することで、お互いに得られるものはとてつもなく大きいでしょうね」

湯浅さん:「ええ。その一つに、異世代への理解があります。三世代同居が減ってきている今、『高齢者は立ち上がるのが大変なんだな』、『イスがないとつらいんだな』、『大きな声を出さないと聞こえないんだな』といったことを子どもが感じられる機会は減ってきています。いずれも生で接してみないと分からないことばかりですよね」

中村さん:「今、リアルな人間関係が“疎”になってきていることには、我々も危機感を持っています。人間、本来は健全な距離感の人間関係があり、人間の営みがあります。リアルで接する機会の提供することも、我々の役割だと感じています。幅広い世代が集う子ども食堂を支援することで、少しでも繋がりの場や地域活性に貢献していきたいと考えています」

●子育て世代の女性を中心に支援に前向き

中村さんと湯浅さん中村さん:「こども食堂のサポーターは、どのくらいの年齢層の方が多いのでしょうか?」

湯浅さん:「ボリュームゾーンは30代と50代、60代の女性です。30代の女性はご自身で子育てを始めてみて、一人で背負うことの重大さを痛感したことを機に、仲間を集めてこども食堂を始めたパターン。50代、60代の女性は子育てにひと段落ついて子どもも出て行き、落ち着いたけどさみしさも感じる年代。その中で、地域の子どもたちを相手にできることをやりたいけど、何をやったらいいか分からない。でもこども食堂ならみんなと一緒につくってみんなと食べる。『これならできる』と思って始めるというパターンです。

もし、この記事を読んでこども食堂に興味を持っていただけたら、ぜひこども食堂の門を叩いていただけたら嬉しいです。『何かできますか?』というよりは、まずご参加を。すると机を運ぶことや調理など、自然とお手伝いを頼まれるようになり、そのこと自体が我々にとって大きな支援となります」

中村さん:「自分たちの仲間がやっていると思ったら、入りやすいでしょうね」

湯浅さん:「寄付や物資のご支援も大歓迎ですが、参加していただくだけでも非常にありがたい。ぜひ私たちの仲間になってください」

――参加したいけれど、今は子育てなどで手いっぱいで時間がないというかたは、自分に合う支援の方法を考えてみませんか? 一歩踏み出すことで笑顔になるのは、周りの人だけではありません。自分にもその喜びや幸せは返ってくるのです。

毎日の一本が、こども食堂を支えるチカラに。詳細はこちら

<文/ESSEonline編集部>

●教えてくれた人
【中村高士さん】

株式会社 明治 執行役員 マーケティング本部長

【湯浅誠さん】

社会活動家。東京大学先端科学技術研究センター特任教授。認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長。

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