家族の成長、独立などによって、だれかと一緒に食事をする機会が減ってきた…なんて人もいるのではないでしょうか? ブロガーの中道あんさんも子育てがひと段落し、ひとりで食事をすることが多いそう。今回は、そんなひとりのときの食事についてつづってくれました。
すべての画像を見る(全3枚)50代、ひとりの食卓。手の込んだ食事からは卒業と決めた理由
現在、30歳になる長男と二人暮らしです。夫婦二人暮らしならば、夫の帰りを待って仲良く夕飯なんてことになるのでしょうが、息子とでそうはいきません。いつ帰ってくるかも分からない、いい大人の息子のために夕飯をつくるなんてことはしなくなりました。
というわけで、家族揃って食事をとるということは、めっきりと回数が減りました。
私は、55歳で起業してからは自宅が職場。コロナになって、仕事はオンラインに切り替わり、起きてから寝るまでリビングか自室で仕事をしています。ひとりで仕事をしてひとりでご飯を食べる、そんな毎日を過ごしています。というと寂しそうに聞こえますが、そんなことは全然ないんですよ。
●食べたいものを食べられる
5人家族だった頃は、「食べさせる」ことに精一杯で自分よりも家族優先。それがひとりの食卓が増えると、自分の食べたいものを食べられるようになりました。
「ひとり分をつくって食べるのって面倒じゃないの?」と思われるかもしれませんが、もともと食いしん坊だったので、食に対する熱量は人より高いかもしれません。なので、つくった先の、おいしさや満足感を想像すると、つくることの面倒くささが薄らぎます。
●手の込んだものはつくらない
とはいえ、手の込んだものや、時間がかかるものはつくりません。だって、かける時間より消費する時間の方が圧倒的に短いからです。私が、調理にかける時間はせいぜい30分くらい。
焼く・炒める・揚げる・煮る、コンロと電子レンジを駆使して3~4品を一気に仕上げます。
手の込んだもの、おいしいものは、お酒と一緒に外で食べる、これに限ると思います。
●ひとりだけど食材宅配を利用
コロナでの外出自粛もあって、1週間に1度、宅配野菜を利用するになりました。スーパーだと自分の好きな食材しか買わず、偏ってしまいますが、これまでに食べたことがないような野菜を含め8種類、箱詰めされて届きます。それを、どう調理しようかなど考えることで、引きこもりがちの生活に張り合いが。主婦業30年ではじめて調理したセロリ2本は、スープにしたり、キンピラ、葉っぱはイカの燻製とあえ物にしたりと工夫してひとりで食べきりました。セロリって匂いが独特で子どもたちが食べないだろうと敬遠して買ったことがなかったのです。
先日は、キャベツ1玉が入っていました。これは途方にくれていましたが、ネットで見つけたのは、丸ごと1玉そのまま圧力鍋に入れスープにする方法。こういうときには、使いかけのベーコンの切れ端も一緒に入れて10分煮込む。1回の食事で1玉分食べられちゃいそうに、カサが減ってやわらかくクタクタになったキャベツ丸ごとスープになりました。
●デパ地下お惣菜はひとり分を調達
外に出かけた時には、必ずデパ地下に立ち寄ります。家族がいるときは、お惣菜は無駄づかいだと思っていました。主婦なら一瞬にしてコストを計算できるからです。でもひとりならば、どっちもどっち。
先日、冬瓜の葛煮がおいしそうなので100g購入。2口大に切った冬瓜が3切れと干しエビが入った餡かけ。ひとりならこれで十分な量。お値段はたしか400円ほど。
冬瓜1個がスーパーで買うと400円くらいなので自分でつくればこの5~6倍くらいはでき上がるでしょう。でも、それ自分ひとりで食べなくちゃならない。キャベツ丸ごとスープのようにいきません。
なので、デパ地下お惣菜は、1コイン以下で普段つくらないようなものを購入します。それに焼き魚とお味噌汁、自家製漬物でもあれば十分満足です。
●ひとりで静かに食す
わが家にはテレビがありません。ときどきパソコンでビデオ鑑賞しながら食べるときもありますが、静かに「あぁ、おいしいなぁ」と食と向き合い黙々と食べています。その日あった出来事を振り返りつつ一日の終わりを感じるのが夕飯のきまり。たまには晩酌をしてそのままお酒を楽しむことも。ときどき、子どもたちが幼かった頃の賑やかさを思いだしたりしますが、飯炊きおばさんに戻るのはもういいかなというのが本音です。
◆中道あんさんのインタビュー記事はこちら◆
50代で「ソロ活」にハマった。主婦を経て初めて感じた自立の楽しさ 結婚22年目で別居、50代のひとり時間。後悔のない人生のためにしていること 50代からの毎日を応援する記事多数! 「これからの暮らし by ESSEonline」はこちら【中道あん】
著述家、ブロガー。1963年、大阪府生まれ。26歳で結婚し、2男1女を授かる。家事と育児、お小遣い稼ぎの仕事とママ友ライフを幸せに送るが、やがて子どもの成長とともに自分自身の将来に目を向けるようになり、正社員として働き始める。結婚22年で夫と別居。2019年正社員から「自分らしく生きたい女性のための発信塾」を起業。4歳になるイングリッシュコッカースパニエルと日々の暮らしを楽しんでいる。ブログ「
女性の生き方ブログ! 50代を丁寧に生きる、あんさん流」主宰。著書に『50代、もう一度「ひとり時間」』(三笠書房)がある