女優・川上麻衣子さんの暮らしのエッセー。
一般社団法人「ねこと今日」の理事長を務め、愛猫家としても知られる川上さんが、猫のこと、50代の暮らしのこと、食のこと、出生地でもあるスウェーデンのこと(フィーカ:fikaはスウェーデン語でコーヒーブレイクのこと)などを写真と文章でつづります。

第4回は、新型コロナウイルスワクチン1回目の接種体験について。接種後の体調や、昨年コロナ陽性になった経験があるからこそ抱えた葛藤や思いについて、率直につづっていただきます。

女優の川上麻衣子さん
女優・川上麻衣子さんの近況写真

川上麻衣子さんがワクチン接種1回目を終えて感じること

2020年に延期されていた東京オリンピックが開催され、全力で闘うアスリートたちを画面越しで応援する日々が続きました。一方で感染拡大が止まらない新型コロナの報道に不安を覚える日々でもあります。

それでも選手たちが皆一様に言葉にする、開催されたことへの感謝と喜びを目にすると本当によかったと思う気持ちにもなりました。

この「矛盾」した感情が、緊急事態宣言に慣れてしまった私たちの自粛の緊張感を緩めているのかもしれません。

●2020年に新型コロナに感染

女優の川上麻衣子さんと愛猫
2匹いる愛猫のうちの1匹・タックと川上麻衣子さん

私が新型コロナ陽性と診断されたのは昨年11月のことでした。まだコロナに関する情報も少なく私自身、自分の症状が軽症なのか、危険なのかまったく判断がつかずにいました。症状としては、味覚異常と発熱。39度と37度を激しく行ったり来たりする初めての症状でした。


当時私が滞在していた大阪はすでに医療が逼迫状態にあり、保健所との連絡は難しかったため、濃厚接触者となる数人の友人と情報交換することが唯一のつながりでした。

その友人たちのうち二人が、中等症と重篤の状態に陥り、彼らの症状から比べれば自分は軽症だと自己判断する以外に方法はありません。


結果、「軽症」と保健所との電話で判断された私のようなコロナ陽性者はその後、自宅観察か、ホテルでの隔離生活を経てある一定の期間発熱がなくなれば、完治したと判断され日常の生活に戻ります。帰宅の途につく際の息切れの激しさが不安ではありましたが、病院に搬送されなかった私たち軽症患者は一度も病院の医師の診察を受けることのないまま現在に至っているわけです(ドラマの撮影ではその都度PCR検査を受けています)。

あとになって、コロナの感染拡大が落ち着いていた時期に、医療関係者の方に話を伺ったところ、コロナに感染した場合、多少なりとも肺炎を起こしていたことは間違いないだろうと教えてくださいました。

これだけ感染者が増えている現状を考えると、きっと私と同じような状況で不安に過ごされている方も多いのではないでしょうか。

●ワクチン接種を受けるか否か戸惑いがあった

そんななか現在ワクチン接種が進み、50代である私は、どう決断するか判断が難しいところではありました。感染後に試した抗体検査では、発症から半年後の時点でも、薄くではありますが抗体反応があったからです。

お医者様のなかでも、抗体があるのだからワクチンを打つ必要はないという方と、やはり打つべきだと答える方とふたつの意見に分かれているように感じます。

今回も結局決断の背中を押してくれたのは、同じく過去に感染を経験した友人たちの意見でした。とくに重症化した人たちほど、コロナの怖さを体感しているだけに、万が一再び感染してしまった場合に乗り越える自信がもてないというものでした。