グラフィックデザイナーの西出弥加さんと訪問介護の仕事をする光さん夫妻は、夫婦ともに発達障害という特性をもちながら結婚。今回は、トランスジェンダーの気質を持つ弥加さんと、それを理解している光さんが性別にまつわるエピソードを語ってくれました。
すべての画像を見る(全8枚)発達障害の私たちが性別にとらわれないわけ
「よくあること」なんだから我慢しようと頑張っていた結果、大きなストレスを感じて栄養失調になり、10歩すら歩けないほどになりました。そして、このままだと過労死すると医者に言われました。
みんな流して生きているのだから自分にも我慢できるはずと信じていたのです。
我慢を続けて7年が経とうとしていた頃、私の目の前に一人の男性が現れました。その出会いが転機となり、この人と結婚することに。
そして私は、女性の外見をやめ男性の外見を手に入れたいという願望が日に日に大きくなりました。
夫以外にホルモン注射の話をすると副作用は大丈夫なのか、と問われることも何回かありましたが、自分にとっては男になるうえでの副作用より女性でいることの作用の方が何倍も辛かったのです。
●夫が私を理解してくれた理由
夫もまた「よくあること」に、すごく大きなストレスを感じて我慢し続けた過去があったそうです。
夫が肯定してくれたことで、私は自分の願望に忠実に生きることにしました。
注射をしたりサプリを飲んだり筋トレをして数か月が過ぎ、私の外見は段々と男らしくなりました。
そして、それまで感じていたストレスのほぼすべてが魔法のようになくなりつつあります。
どこに行っても女性扱いをされなくなったのです。
先日、隣に住む女性に「テーブルが重くて運べないから代わりに持ってほしい」と頼まれました。
「重いもの持ってあげるよ」と言われることが辛かった私は、心の底からうれしかったです。
夫のおかげで、ほしかったものすべてが手に入りつつあります。
自分が望む男性らしい外見になれたことや、夫と変わらず仲よくいられることに、大きな幸せを感じています。
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【西出弥加さん・光さん】
妻の弥加さんは東京在住の絵本作家、グラフィックデザイナー。1歳のときから色鉛筆で絵を描き始める。20歳のとき、mixiに投稿したイラストがきっかけで絵本やイラストの仕事を始める。オフィシャルブログ「
私とリトルさやの徒然日記」、Twitterは@frenchbeansaya