夫婦ともにテレワークをしているため、2人分のワークスペースがどうしても必要だった、というIさん夫妻。マンションのリノベーションでは、キッチンカウンターと子ども部屋の2か所に快適なワークスペースを実現しました。写真はキッチンダイニングの様子。キッチンカウンターは、一部をワークスペースとして活用しています。仕事に集中できるほどよい環境と、家族でリラックスできるLDK、どちらもかなえたIさんの住まいを見せていただきましょう。
すべての画像を見る(全16枚)パーティションでほどよく仕切られた、こもれるワークスペース
子ども部屋の一角をゆるやかなカーブを描いたパーティションで仕切り、ひとつ目のワークスペースにしました。パーティションの高さは140㎝、デスクの高さは75㎝。座ったときにほどよいこもり感がありつつ、子ども部屋やLDKで過ごす家族の気配も感じられる空間に。
「もうひとつのワークスペースとして、キッチンカウンターの一部を半円形に張り出す形にしてもらいました。お互いが使う時間を調整しながら、2つのワークスペースを夫婦で使い分けしています」と、石井さん夫妻。
キッチンカウンターにある、もうひとつのワークスペースとは適度に離れているので、どちらかがオンラインで会議をしていても声が聞こえることはありません。
「子ども部屋のワークスペースは適度なこもり感があって仕事に集中できますし、キッチンカウンターは立って仕事をするのにちょうどいい高さ。ワークスペースが2か所あると気分転換もしやすいです」(夫)。
LDKと子ども部屋兼ワークスペースを仕切るのは、グレーの塗装が施された上品なパーティション。抜け感を出せるガラス入りにしました。扉がないので、スムーズに行き来できます。
パーティションの近くには奥行き深めの収納が。その下のアーチを描いたスペースは、猫のトイレスペースです。
淡いピンク色のアクセントクロスを貼った子ども部屋には、キャットタワーも設置しました。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫30代 妻30代 長女保育園児
▼リノベを選んだ理由
コロナで夫妻ともにテレワークをしているため、2人分のワークスペースが欲しかったから。
▼住宅の面積やコスト
専有面積/70.54㎡ 物件価格/3000万円(税込み)工事費/1200万円(税・設計料込み)
窓いっぱいの明るいLDK
以前は細切れだった空間をひとつながりにしたLDK。角部屋のため、二面ある窓をうまく生かすことができました。そんな明るい空間でひときわ目をひくのは、チーク材+パイン材フレームのL字型ソファ。フローリングとの調和を考えてつくったオリジナルです。家族のリラックススペースであると同時に、リビングとダイニングをゆるやかに仕切る役割も。
ダイニングの家具は、インテリア好きの妻がチョイス。テーブルはVitra(ヴィトラ)の「ゲリドン」、赤いイスはアルテックの「アトリエチェア」、黒いイスは藤森泰司氏デザインの「ルカ チェア」、そして長女のブルーのイスは「トリップ トラップチェア」です。
ダイニングにあるワイドな出窓のおかげで、LDK全体に光が行き届きます。
キッチンにはムラ感のある独特のテクスチャーのタイルを採用。床は掃除がしやすいよう塩ビタイル貼りに。
ガレージ風玄関はDIYで仕上げ
玄関は、明るいLDKとは異なるダークなカラーでまとめました。壁は夫がポーダーズペイントの塗料を使ってDIYで塗装。オープンタイプのシューズクローゼットは、家族全員の靴がしまえる大容量。棚板は入れるものに合わせて高さを変えられる可動式にしました。
天井はトタン仕上げに。トタンと裸電球の照明があいまって、ガレージのようなラフな雰囲気に仕上がっています。
玄関廊下とLDKを仕切る扉はガラス入りを採用。ネイビーで塗装した廊下の壁とマッチするよう、扉はブラウンに塗装しました。
「ワークスペースを2か所設けたことで、使い勝手がよく、気分転換もしやすくなりました」と夫妻。仕事がはかどる夫婦共有のワークスペースと、家族でゆったり過ごせるLDK、どちらも実現できたのはリノベーションならではといえます。
間取り(リノベーション前後)
リノベーション前
リノベーション後
設計・施工/フィールドガレージ
自由な暮らしを提供したいという想いから、2004年にリノベーション専門の設計事務所を設立。現在は工事の請負、不動産仲介も手掛け、リノベ向きの物件探しからローン審査・売却、賃貸管理のお手伝いまでトータルにコーディネートしている。
撮影/小川 聡 ※情報は「リライフプラスvol.41」取材時のものです