700万円という手ごろな物件価格と、駅近なのに静かという環境のよさから団地リノベに踏み切ったYさん夫妻。趣味を思いきり楽しむため、本棚をたっぷり備えたワークスペースをリビング横につくりました。ふたりの心地よい距離感を保てる、ワンルームのような約56㎡の空間です。
すべての画像を見る(全13枚)趣味を満喫できるゆとりあるワークスペース
「自分たちの暮らしに間取りが合わなくて」というYさん夫妻。最優先して広くとったのは、夫妻共通の趣味を楽しむためのワークスペースでした。
資料となるたくさんの本を収める本棚と、ふたり並んで作業ができるゆとりあるスペースを確保しています。
ふたりの暮らしから趣味は切り離せないので、ワークスペースはリビング横に。そのため、どちらかがリビングにいてもコミュニケーションがスムーズです。
仕切りが少なくワンルームのようなY邸ですが、ふたりの生活リズムが異なっても気兼ねないよう、ワークスペースと離れた位置に個室の寝室を設けるという間取りの工夫も。
本を開きながら作業することもあるため、カウンターの奥行きは70㎝と広めに確保。カウンターの背面にはオープンな本棚を造作しました。
既存では押し入れがあった位置には、引き戸付きの本棚もつくりました。リノベ前はLDK入口に取り付けられていた引き戸を再利用しています。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
夫(35歳)、妻(31歳)
▼リノベーションをした理由
共通の趣味をたっぷり楽しみたいふたりに、以前の住まいでは間取りが合っていなかった。趣味のための広々としたワークスペースが欲しかったのと、以前から犬を飼いたいとも思っていたためリノベーションを決意。
▼住宅の築年数
47年(昭和47年築)
▼住宅の面積
専有面積/56.73㎡(1LDK)
寝室とサニタリー以外はひと続きの空間に
「間仕切りのないスタイルがふたりには合っているんです」と、ワンルームのような一体感のあるつくりに。リビング、ダイニング、キッチンは壁やカウンターでゆるやかに仕切りましたが、視線は奥までスッと抜けていきます。
リビングと隣接した玄関も扉がなくオープン。リビング側には壁を立て、圧迫感が出ないよう腰壁はガラス入りの建具にしました。
妻の希望でキッチンはステンレスキッチンをチョイス。「コンパクトで手入れがしやすく、使いやすいです」(妻)。
キッチンカウンターのダイニング側には、出し入れしやすいオープンな食器棚を造作しました。
キッチン横に置かれた冷蔵庫の両サイドには、色分けした扉がふたつ並びます。ブルーの扉はウォークインクロゼット、イエローの扉は寝室の入り口です。
ウォークインクロゼットはパントリーや書類の収納場所としても活用しています。
水まわりは広い浴室を最優先
水まわりは位置を変えず、キッチン横の扉が入口になっています。正面がその扉で、右側の折れ戸の中には洗濯機があります。洗濯機置き場は元々サニタリー内にありましたが、広さを確保するために移動させました。
どちらの扉も通気性がよく、圧迫感が少ないルーバータイプをチョイスしています。
オレンジ色の天井の効果で、空間全体が明るく感じられるサニタリー。浴室を広げるために、2in1でホテルライクに。
洗面カウンターとその脇の腰壁はモルタル仕上げですが、クラックが入りにくいように木の下地に薄く塗るという工夫も施しました。
縦に広くとった浴室は在来工法で仕上げ、夫の希望だったという大きな浴槽を取り入れました。
「次は以前から楽しみにしていた犬を飼いたい」と話す夫妻は、犬が歩きやすく汚れにも強い加工をしたフローリングも備えて準備万端。趣味のある毎日を楽しむ夫妻の暮らしに、新しい家族が仲間入りする日も近そうです。
設計・施工/フィールドガレージ
撮影/水谷綾子
※情報は「リライフプラスvol.33」取材時のものです