東京目黒区、都心の静かな住宅街。桜並木の続く緑道沿いの土地に出会ったときから、Tさんの家づくりが始まりました。敷地面積27坪とコンパクトながら、環境の良さを生かし設計された3階建ての家。春にはテラスやリビングから咲き誇った桜が楽しめるのも自慢のひとつです。Tさん家族は、日々移り変わる景色に季節を感じながら暮らしています。
すべての画像を見る(全9枚)家のどこからでも光や風、緑を感じられる3階建て
「緑道の景色を生かしてアウトドアリビングのような雰囲気が楽しめる、そんな開放的な家に住みたいと思いました」(妻)。
設計は「光の取り入れ方が素敵で、気持ちよさそう」(妻)と感じたスタジオCYの堀内雪さんに依頼することに。
緑道を見下ろす 2 階は、両開きのガラス扉で室内と一体化するバルコニーとLDK。桜が咲く季節には窓の外が一面ピンク色に まり、夏には緑に包まれます。
設計の堀内さんはコンパクトな敷地を有効活用しつつ全体のボリュームを抑えるため、建物は半地下を含む3層構造にしました。
1階は妻が自宅で開いているデトックスサロンと寝室、緑道を見下ろす2階にはLDKと洗面浴室、そして2つのバルコニーがあります。3階には、長男の部屋と広く、気持ちのいいルーフテラスをつくりました。
【この住まいのデータ】
▼家族構成
50代夫婦+子ども1人
▼家を建てた理由
「当時住んでいたエリアの近くで売りに出ていた緑道沿いの土地が気に入ったので。
また近くに住む高齢の両親のことも気になっていたので、この場所に家を建てたいと思いました」(妻)
▼敷地・住宅の面積
敷地面積/81.58㎡(24.72坪)
延床面積/116.16㎡(35.20坪)
家事動線も抜群の2階LDK
キッチンは大勢で料理や食事を楽しめるオープンスタイル。
その奥には洗面、浴室と洗濯物が干せるバルコニーも設置されました。
「キッチンからの眺めは抜群です。四方からの光の入り方もきれいでとても気に入っています」(妻)
スッキリとしたⅡ型のキッチンはオーダーキッチンメーカー・マードレで製作したオリジナル。
正面の3階へ続く軽やかなスチール製の階段や窓も開放感をもたらしています。
キッチンの裏側には洗面・浴室を配置。浴室の隣にはサービスバルコニーも設けました。
「家事動線が短くて便利です。サービスバルコニーのおかげで緑道側のバルコニーに洗濯物を干さなくていいのもうれしい」(妻)
ルーフテラスでバーベキュー、妻のサロンも併設
夏に撮影した3階ルーフテラスの様子。
「緑が生い茂る夏の景色も大好き。クーラーボックスに飲み物を入れて持っていき、お友達とバーベキューをしたりします」(妻)。
ここに水道栓とミニシンクも設置したのも大正解。何度もキッチンを行き来することなく食事が楽しめます。
小屋裏のような雰囲気が楽しい3階の子ども室。ドアと窓が向かい合ってついているので、それを開ければ通風も抜群。
1階は落ち着いた雰囲気の女性専用デトックスサロン「Bare foot(ベアフット)」。完全予約制なのでゆったりとした施術を受けることができます。
家の様々な場所から眺められる美しい景色を取り込んだ暮らし。そのうえ妻の仕事場まで確保できて大満足のTさん家族。成功の秘訣は、立地選びと設計者選び、そして何より自分の欲しい家のイメージをしっかりと設計者に伝えられたことかもしれません。
設計/スタジオCY
撮影/水谷綾子
※情報は「住まいの設計2020年4月号」掲載時のものです