妊娠を機に家探しを始めた宮崎さん夫妻は、新築も含めて小田急線沿線を中心にリサーチ。予算と環境を考慮しながらエリアを拡大するうち、ふたりの好きな鎌倉が候補に。1件目に見た築22年、2250万円の戸建てを気に入って即決。戸建てリノベのプロであるスタイル工房にリノベを依頼し、工事費870万(税・設計料込み。キッチン・建具は施主支給のため除く)をかけ、憧れの鎌倉暮らしをスタートさせました。
すべての画像を見る(全9枚)天井も壁も素材感あふれるLDK
真四角でコンパクトな2階建ての家をリノベーションするにあたり、夫妻が希望したのはふたつ。どの部屋に行くにもリビングを経由することと、なるべく仕切りがないワンルームながらも可変性がある間取りであること。店舗やミュージアムのインテリアデザイナーである夫もプランニングに関わりながら、宮崎邸の家づくりが始まりました。
1階には「広いリビングスペースとアイランドキッチンがほしい」と夫妻は希望。空間を広く見せるために、天井は現しにして根太天井に、そして壁には一面だけ足場板を張り、その他の壁には漆喰を塗りました。元々は和室がありましたが、壁を抜いて大きなワンルームのような空間に。
リビングとダイニングを兼ねるスペースには、少し背の低いダイニングテーブルとソファを配置。家具の背を低く抑えることで、さらに解放感を演出しています。
玄関の横にあった階段はキッチンの横に移動。壁の個性的なクロスは「いろいろ冒険してみたかった」と、夫がセレクトしたものです。
2階の踊り場は余白を残してフリースペースに
2階は洋室を1つなくして、開放的で明るいフリースペースを設けました。今はデスクを置いて夫の書斎としていますが、子どもが大きくなったら勉強机にしたり、将来的には壁をつくって仕切ったりと、様々な用途を想定して余白を残しています。
右側に並ぶ2つの扉は個室につながっています。正面は収納で、その左手にはトイレを配置。
2階のトイレは夫が「イメージどおり」とうなずくお気に入りのデザイン。個性的なクロス同士の組み合わせが絶妙です。また、個室は今のところ大きな洋室として使っていますが、将来は壁を立てて仕切れるようにドアは2つ残してあります。
こだわりを盛り込んだ1階の玄関と水まわり
近隣は鎌倉らしく緑が多くて起伏もありますが、宮崎邸の周辺は平坦で暮らしやすいそう。玄関扉を開けると、自転車も置けるくらいの広い土間玄関が。1段ステップを設けたのは、スタイル工房からの提案でした。
玄関の天井にはフローリングを張り、壁の一面には足場板でオープンなシューズラックを造作しました。
正面はトイレのドアで、その左手の白いドアは水まわりに続きます。トイレの壁と天井にはOSB合板を張り、ドライフラワーや照明が映える空間に。
シンプルで広い洗面台に合わせたのは、妻がカタログで見つけたタイル。カタログと同じように斜めに貼って印象的に仕上げました。
後ろを振り向くと、階段下のスペースを活用した洗濯機置き場があります。自然を感じる素材がベースとなった空間を、夫がセレクトした個性的なクロスでメリハリをつけ、大満足の仕上がりになりました。
設計・施工 スタイル工房
撮影 飯貝拓司
※情報は「リライフプラスvol.30」取材時のものです