11月15日発売の「住まいの設計2018年12月号」では、家好き芸人、アンガールズ・田中さんが建築家の自邸を突撃取材する連載の2回目が掲載しています。アンガールズ・田中さんは広島大学工学部第四類建築学部卒業。大学では建築の構造を研究し、得意分野は日本建築だそうです。今回は東京・北区で築18年、470.00平米(142坪)、鉄骨造5階建てのビルをリノベーションしたSTARの佐竹永太郎さん宅を取材しました。
だ円形の「吹き抜け」と有機的な「螺旋階段」が美しい空間
すべての画像を見る(全8枚)JR東十条駅から徒歩2分の場所にある5階建てのビルが、佐竹永太郎さんが代表を務める「STAR」の事務所兼自宅。
ビルの入り口には明治16(1883)年製という趣のあるくぐり戸が設置されており、独特の世界観があります。
この入り口には田中さんも驚いた様子でした。このビルは18年前にオーナーの依頼により佐竹さんが設計し、15年後に自身が買い取りリノベーション。
1階はラウンジ、2階はオフィス、3階は倉庫、4・5階が自邸という構成になっています。
さっそくエレベーターで4階に向かうと、中心に螺旋階段が設置されたLDKが。
ソファに座って吹き抜けを見上げ、「螺旋階段って、もっと単調なイメージだったけど、こんな変わった形もできるんですね。計算は難しそうだけど」「はい、難しく計算すればできます(笑)」と、田中さん。
建築談義に花を咲かせるふたりでした。
最上階のガーデンと寝室はまるでリゾートホテル!
螺旋階段を上っていくと、寝室の外に広がる屋上ガーデン。
「朝はまぶしくて自動的に目が覚めます」(佐竹さん)という寝室は、庭に面したホテルライクな空間になっていました。
4・5階とも床暖を採用しているため、冬も快適に過ごせるそうだ。5階ホールの床にはアズサ、寝室には杉を採用している。
「いろんな素材を使っているけど、ちゃんと調和している。個性派集団をうまくまとめる名監督みたいだな」(田中さん)。
寝室からデッキテラスにそのまま出られるのも佐竹さんのこだわり。
「駅前だけど、ここなら外からの視線を気にせずに過ごせますね。土があって、外の空気も感じられて…都会ではなかなかこういう空間を持てないですもんね」(田中さん)と、屋上ガーデンの開放感を満喫していました。
1階のラウンジは、能舞台の襖を設置したこだわりのおもてなし空間
1階のラウンジは、バーカウンターのあるラグジュアリーなおもてなし空間だ。
カウンターは大谷石、カウンターの天板にはアフリカンチークを使用。奥のミーティングスペースには、旧家の能舞台の襖が扉になっている豪華版です。
「すごいな。設計事務所とは思えないですね。何でもやってくれそう(笑)」と、圧倒される田中さん。
「“正しく古いものは、常に新しい” というのが僕の信念です。正しく時を重ねてきたものは、時を経ても古びない。そういうものの力を借りながら、オーダーメイドのスーツのように、住む人の体に馴染む空間をつくっていきたい」と佐竹さん。
まるで、おしゃれカフェみたい!
まさに、建築家の美意識を体現した住まいとなっていた佐竹さん邸。
もっと詳しく見たい方は、「住まいの設計2018年12月号」をご覧ください!
【取材協力】
STAR(エスティエイアール)
「クライアントの課題を美しいデザインで解決する」をミッションにデザインチームという独特の設計スタイルで活動。個性的なホテルや商業施設など企画より幅広く手掛ける。
撮影 山田耕司(扶桑社)