持続可能な社会をつくるための「SDGs」という言葉が注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。今回のテーマは「水」について。
SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんに、身近にできる工夫についてつづってもらいました。
世界で深刻な水問題。毎日の生活で節水を心がけよう
日本では蛇口をひねれば、いつでも安全な水が出ます。でも、世界に目を転じると約22憶人が安全に管理された水を使用できません。
石けんと水で手洗いできない人は約30憶人。新型コロナウイルスが世界的に蔓延するなか、これは深刻な問題です。また、私たちにとって当たり前のトイレが使えない人も約20億人いて、6億7300万人は依然として屋外排泄をしています。不衛生な水から病気になって命を落とすこともあります。
フジテレビが、2017年8月に放送した『環境クライシス~沈みゆく大陸の環境難民~』という番組では、気温50℃を超える砂漠で生活に必要な水を得るために、毎日10kmもの道のりを歩く少女の姿を放送しました。水汲みのため学校に行けない、よって教育が受けられず、大人になっても仕事も得られない、そんな子どもたちが世界にはたくさんいるのです。SDGsはゴール6で「安全な水とトイレを世界中に」という目標をかかげてます。
日本でこんな話をしてもピンとこないかもしれませんが、水は無制限にあるわけではなく、ムダ遣いは禁物です。お風呂やシャワー、トイレ、洗濯、洗顔や歯みがき…水を使うシーンはたくさんありますが、東京都水道局によると一人あたり1日平均約214リットル(令和元年度)もの水を使っているそうです。2リットルのペットボトル107本分です。
じつは日本の1人当たりの生活用水使用量は、世界第2位(1位はオーストラリア)です。
プラスチックの生産量が世界第2位なのに続き、日本は意外なところで世界トップクラスにいることが多いようです。
貴重な資源である水をムダにしないため、皆さんにもできることがたくさんあります。水道代も節約できますよ!
【皆さんにもできること~水を大切にする編~】
・シャワー時、なるべく水を出しっぱなしにしない
・節水シャワーヘッドを取りつける
・シャワーよりお風呂の方が水の節約に
※シャワー3分で36リットルの水を使います
・お風呂の水を洗濯に利用
・お湯がでるまでの間の水は、ためて使う
・歯みがきの際、水を流しっぱなしにしない
※30秒流しっぱなしだと6リットルですが、コップにくむと0.6リットルですむ
・トイレの「大・小」を区別して使う ※節水型トイレへの交換・設置工事に補助金が出る自治体も
・食品や食器を洗う際は水をため、油汚れがひどい食器・鍋は使い古しの布や紙などでふき取って洗う
※水質を改善するためにもたくさんの水が必要です
・洗剤も使いすぎないように! 洗剤のいらないスポンジなども活用
・少量の食器で食洗器を使用しない
・洗濯はある程度たまってから
・ホテルでシーツやタオルの交換を断る
・洗車の際は、ホースの代わりにバケツを使う
※流しっぱなしだと約90リットル。バケツにくむとその3分の1ですむ
世帯ごとの1か月当たり水道料金の全国平均は、総世帯平均で4131円だそうです。皆さんの家庭と比べてどうでしょうか?
知らない間に水漏れしている、なんてこともあるそうです。すべての蛇口を閉めた状態で、水道メーターのパイロットが回転していたら漏れているかもしれませんので、一度チェックしてみましょう!
気候危機や人口増加などで地球では今後水不足が深刻化し、2050年までに4人に1人以上が慢性的な水不足となる可能性が高いと言われています。
水の節約は水道代という目に見える形でチェックできますので、ぜひ今日から実践してみてください。
これもSDGsに貢献していることになりますよ!
【SDGsの課題をみんなで一緒に考えるフジテレビ・BSフジ・ニッポン放送3波連合プロジェクト】
詳しくは公式サイトをご覧ください。
【フジテレビ『フューチャーランナーズ』放送中】
SDGsを推進するため、ゴールに向かって奮闘している人たちを取り上げる番組。
毎週水曜22:54~23:00放送(関東ローカル)
ですべての放送回を見ることができます。