卵とバターを使わないパン教室「toiro(トイロ)」を主宰する幸栄さんの暮らしのエッセー。

2人の娘をもち、簡単につくれるおやつや、だれでもまねできるインテリアアイデア、家事を楽しくする方法など、なにげない暮らしを楽しむコツが人気の幸栄さん。

今回は暖かくなると飲みたくなる、自家製サワーシロップについて。業務スーパーの冷凍ベリーなどを使って手軽に仕込める、フルーツたっぷりな「サワーシロップ」のつくり方を教えてもらいました。

ビンとグラスに自家製サワーシロップ
冷凍ベリーやチェリーでつくった自家製サワーシロップ
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冷凍フルーツで簡単!甘酸っぱくておいしい、自家製サワーシロップのつくり方

ある日、友人が「これおいしいんだよ、いるでしょ?」と突然差し出してきたものはどーんとした一升瓶に入った、なんともすてきな赤酢でした。

一升瓶のお酢

おお、おおきいな…一升瓶のお酢か…。じつは大容量が苦手なのですが、なんとなく断る理由もないし、ラベルのデザインも好みだし、と思いありがたく頂戴いたしました。

さて、この赤酢。なにに使おうかな。梅干しやらっきょうを漬けるときに使えるな! と思いましたが、その季節はもうちょっと先。その前に一度開封して香りを確かめながらなにかに使いたいな。あ、じゃあサワーシロップをつくろう、ということに。

サワーシロップといえば夏のイメージですが、暖かい春にも炭酸で割って飲むとさわやかな気分になります。ご紹介する、ベリーたっぷりのサワーシロップレシピは、わが家の定番。冷凍のベリーやチェリーを使って、少ない材料で簡単にできるのでおすすめです。

●ベリー&チェリーのサワーシロップ

一升瓶のお酢やビンなど

【用意するもの(つくりやすい分量)】


・酢(お好きなもので。今回は赤酢使用) 700g
・きび砂糖 1.2~1.4kg
・お好きなフルーツ(今回は冷凍ベリーとチェリーを使用) 1kg
・4リットル容量の広口ビン

半量でつくることも可能。その際はビンも小さいものを選んでくださいね。密閉できる広口ビン、私はセラーメイトのものを愛用しています。


ラズベリーなど

きび砂糖はお好みのもので大丈夫です。今回は種子島産原糖を使用していますが、これは普通のきび砂糖よりもかなりあっさりした甘さなので、1.4kgで仕込みました。少しくせの強い濃厚なきび砂糖であれば、分量を減らしてつくったほうがよさそうです。

真夏は氷砂糖などでもつくりますが、その際は1kg~1.2kgくらいを使用しています。冷凍果物は業務スーパーで売っているラズベリーとチェリーを選びました。もちろんフレッシュなフルーツでもつくることができます。

【つくり方】

つくり方はとっても簡単。

ビンにフルーツ

ビンにフルーツ適当に入れ、砂糖を入れたらまたフルーツを、と交互に層になるように入れ、最後にお酢を注いだら仕込みはおしまい。

ビンに出来上がった自家製サワーシロップ

ときどきかき混ぜてあげて、お砂糖が溶けきったらできあがりです。このまますぐ飲めちゃいます。

自家製サワーシロップ中身

ちょっとのぞいてみると、ほらつやつやでいい香り! とてもおいしそう。

グラスに自家製サワーシロップ

この日は、暖かい春のお天気だったので、早速炭酸水で割っていただきました。

うんうん、やっぱりいつもの安定のおいしさ。2人の娘もこのサワーシロップの炭酸水割りが大好きで、いろいろなフルーツで試すのですが、やはりこのベリーでつくるのがお気に入り。フルーツをすくって食べることができるのも、おいしくてうれしいポイントのひとつのようです。

自家製サワーシロップは暑くなるまでは部屋の涼しいところで保管し、暑くなったら冷蔵庫に移動しています。この量だと、3、4週間は楽しんでいますが、気になる方は1、2週間など早めに飲みきってください。使うフルーツによってお砂糖の種類を変えてみたり、いろいろな組み合わせを楽しむことができて、お酢もしっかりとれるのでこれからの季節におすすめなサワーシロップ。ぜひつくってみんなでおいしく割って、シュワシュワ楽しんでくださいね。

【幸栄(ゆきえ)】

1979年広島県生まれ。「はな」と「ひな」2人の娘をもつ。モデルとして活躍したのち、長女の出産を機にパンづくりに出合う。ベッカライダブルハウスにて、製造補助をしながらパンについて学び、2010年から卵とバターを使わないパン教室、toiroを始める。現在はオンラインパン教室『

パン教室toiro【パンとひとさら】』にてレッスン中。 近著に『日々たんたんとパン』(光文社刊)、『でっかいパン バターも卵も使わない。「3分こね」でかーんたん!』(主婦と生活社刊)