日本国内の大学受験の最高峰として知られる東京大学。勉強ばかりしている天才が行くところ…というイメージをもつ人も少なくないかもしれません。
「普通の子だとしても、努力次第で十分合格する目があります」と話すのは、世帯年収300万円台の家庭から東京大学に合格し、自身の体験をもとにした勉強法が話題になっている布施川天馬さん。布施川さんが実感した、「親にしてもらってよかった3つのこと」を語ってもらいました。
東京大学に合格する子どもの共通点。親がしてくれた大事なこととは
突然ですが、皆さんは「東大に行くような子」ってどんな人だと思いますか?「地頭がいい子」でしょうか、それとも「賢い子」でしょうか。いろいろな答えがあるとは思いますが、おそらくそのような答えが思いつくのではないかと思います。
しかし、僕はそうは思いません。普通の子だとしても、努力次第で東京大学程度なら十分合格する芽があると考えています。もちろん、努力の方法やその質はしっかりと考える必要がありますが、少なくとも天才である必要はありません。
「そんなこと言われても、東大なんて…」とは、絶対に思わないでほしいと思います。なぜなら、その「無理」という思い込みこそが、世間の子どもたちを東大から遠ざけている一因だからです。
もしも僕が親から「お前に東大受験は無理だ」と言われていたなら、絶対に東大には合格できなかったでしょう。そもそも、東京大学を受験しようとすら考えていなかったかもしれません。
東京大学に来てから初めて知ったことなのですが、どうやら多くの東大生たちは、家族と良好な関係を築いているようなのです。それどころか、自分たちが東京大学に来ることができたのは、親を含めた環境のおかげであると思っている人が、ビックリするほど多いのです! 自己肯定感の高い人が非常に多いように感じています。
今日は、僕が実際に東大生たちにインタビューをして集めた「東大生が子どもの頃にされてうれしかったこと」について3つに絞ってお伝えしたいと思います。
●一緒にがんばる
まず一つ目の「親からされてうれしかったこと」は、「あらゆることを一緒にがんばってくれた」ということでした。
あることを始めるときに「お前ががんばれ」だけではなく、「私もがんばってみるから、一緒にがんばろう!」と言われることで、モチベーションが非常に上がったのだそうです。これは勉強を一緒に始めるということではありません。
たとえば、この話をしてくれた東大生の方は受験生時代に「今日から受験勉強を本格的に始めるから、明日から早起きしよう!」と決めたそうです。僕が彼の親ならば、「そう、がんばってね!」ですませていたと思いますが、なんと彼のご両親は「じゃあ、自分も早起きをしてみる!」と言ってくれたのだそうです。
僕も受験勉強のため早起きしようとしたことが何度かありますが、絶対に失敗してしまいました。それは、たとえ早起きできなくても、だれも注意しないからでした。
仮に布団の中で寝過ごしても、起床時刻に早起きできなかったことをとがめられることはありません。しっかり自律することができる人ならともかく、僕はそれが苦手でしたので、なかなか習慣化できませんでした。
自分の受験をいちばん応援してくれているであろう両親が、自分と一緒にがんばってくれるとなれば、心強さも一気にアップします! やっていることは「一緒に早起きする」というだけですが、これが合格の後押しになったと語ってくれた東大生の気持ちが非常にわかるような気がします。