体を温めて冷えを解消する「温活」。朝晩はお家で体を温めることもできますが、昼間の冷え対策は難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。
職場でもできる「温活習慣」を、医師の石原新菜さんと、漢方師の櫻井大典さんに教わりました。
不調の原因「冷え」を温活で吹き飛ばす!職場でできる工夫
体が冷えると血流が悪くなり、肩こりや頭痛、腰痛などの原因になります。
日ごろから“冷えない暮らし”を心がけて、冬の不調を吹き飛ばしましょう。
●デスクワークで座りっぱなし。ぬくぬくスタイルだからOK!?→×
・1時間に1回は、ストレッチなどで血流を促して
デスクワークで座ったままなら、屈伸や肩回しなどで血流を促すようにしましょう。
「指先は冷えるのに、なぜか頭はのぼせたような状態の人は、熱が巡っていないことが考えられます。たとえば昔のお風呂は、上の方が熱く下はぬるい場合、いくら沸かしても、混ぜなければ均一になりませんでした。同じく人間の体でも、運動不足で血の巡りが滞り、冷えていることがあります。その場合は、外側から体を温めようとしても、余計のぼせるだけ。基本は体を動かして、内側から血を巡らせることが大切です」(櫻井先生)
【屋内でもできる!簡単エクササイズ】
寒いとついつい外出がおっくうになりがち。外での運動が難しい場合は、家のなかでもできる簡単なストレッチを取り入れてみましょう。
・スクワット
(1) 腕を前に上げて立つ
足は肩幅より少し広げ、つま先を外側に向けて立つ。腕を上げて床と平行に前に伸ばす。腕が痛いようなら、胸の前で腕組みしても。
(2) 太ももが床と平行になるよう、腰を落とす
背すじを伸ばし、ゆっくりと腰を落とす。太ももが床と平行になったら、1~2秒動きを止め、元に戻す。これを10回繰り返す。
・フラミンゴ立ち
・片足ずつ1分
片足立ちを1分ずつ行うだけで、骨と筋肉に、50分ほど歩くのと同じ負荷をかけられるそう。倒れないよう、イスなどにつかまって行って。
●ティータイムはショウガ紅茶でひと息→〇
・ショウガは加熱・乾燥させれば温活効果がアップ
ショウガを加熱・乾燥させると、成分のジンゲロールがショウガオールに変わり、温活効果が高まります。
「漢方では、乾燥させて温め効果を上げた『乾姜(かんきょう)』を使って、体を温めます。ショウガ、シナモン、黒糖を豆乳で煮出したところに紅茶を加えたチャイ風飲料もおすすめ。ただし、のぼせなどの症状がある人は、ショウガで悪化する場合もあるので、様子を見ながら行いましょう」(櫻井先生)
「温かい紅茶にショウガを入れるだけでも、温活効果が上がります。市販品の『蒸しショウガパウダー』も、手軽に使えて便利ですよ」(石原先生)
【これもおすすめ!】
・くず湯 とろみで、体内でも温かさが持続する
・ココア カカオポリフェノールが血流を促す
●温め効果がUPする!カイロの貼り方
体の大事な部分を直接温めるのもアリ。カイロを貼る際は素肌に貼るのではなく、低温やけどに注意して肌着の上から貼るようにしてください。
・おなか
おへその少し下に貼ると、子宮、卵巣、膀胱などが温まる。胃の調子が悪ければ胃の上でも◎。
・足の裏&足の甲
足の裏が冷えると、体全体が冷えることに。靴下の上から小さ目のカイロを貼って。足の甲も効果的。
・せなか
・ツボ「腎兪(じんゆ)」の周り
おへその高さの背骨から指2つ分外側の左右にあるツボ。腰痛や体のだるさの解消にも効く。
・肩甲骨の間
血流が促されることで、肩こりもラクに。
・仙骨の上
お尻の割れ目のすぐ上が「仙骨」。内側にある骨盤内臓神経が温まることで、自律神経が整う。
●公園へのお出かけは、上半身に何枚も重ね着→△
・下半身と「三首」をしっかり温めましょう
下半身を温めると体感温度が変わります。腹巻きやカイロを使う、パンツにレギンスを重ねばきする、ブーツを履く、長め丈のコートを着るなど、下半身を意識して防寒を。
また、首・手首・足首の「三首」は、太い血管がとおる場所。冷やすと体全体が冷えます。
「足首が露出するくるぶしソックスも控えて。おしゃれより冷やさないことが大事です」(櫻井先生)