●自分の功績をいちばんわかっているのは自分!40代以上は、自分の今までをしっかりほめて

お話する女性
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――ESSEONLINE読者は、毎日家事や育児に追われています。忙しい毎日で、ふと気がついたら40代、50代になっていた、ということも多いのですが、日々の生活のなかで「これを心がけるとよい」というようなアイデアはありますか?

大草

 子育てや家事に集中していると、とても忙しかったはずのに「あれ、私は今年なにをしたんだっけ?」と思ってしまうことがありますよね。お子さんがいてもいなくても、家を心地よく整えたり、家族の世話をすることは、「生活の土台を整える」という大きな仕事です。

家事や子育てなど、家まわりの仕事って、なかなか外の人からの評価を得られる機会がありませんよね。でもその仕事はとても大変で、長年続けることは並大抵のことではありません。そのことは、自分がいちばんわかっているのではないかと思います。だから、ずっと家のことをがんばっていらっしゃる方には、ご自身がしてきたことを、ご自身ではたくさんほめて、労ってあげる機会をつくってほしいと思います。外の仕事があろうとなかろうと、

「今の暮らしは、自分がつくってきた実績」

なんですよ! そのことをもっと誇っていいと思います。

黒い服の3人
今の暮らしが実績! ぜひ自分を労って(写真は書籍より)

だれも労ってくれないときも、たとえば「年末」や「誕生日」などをきっかけに、自分で自分を労う日を設けてもいいのでは? プレゼントなどのものでもいいですが、たとえばなにかご自身の「好きなこと」を生活にプラスするのはいかがでしょうか。これだけやってきたのですから、趣味の時間を増やすとか、行ってみたかった場所に行ってみるとか。もちろん、2週間に1度お花を買うなど、ものでもいいですし、『飽きる勇気』の本の中でも書きましたが、なにもしない「レイジーデー」をつくるのもいいと思います。少しでいいので、普段の生活に自分らしい彩りや、自分を大切していると感じられるようなことが加わると、もっと楽しくなると思います。

●目の前のコップが空なら自分で水を注げばいい

――他者からの評価を求めてしまうと、思うようにいかないことが多い家事や子育てですが、自分でほめてあげるだけでいいなら、すぐにもできそうですね。

大草

 本当にそうなんです。私はよく、こんな風に考えるんです。目の前に空のコップがあって、自分はお水が欲しいと思っている。そのときにどんな方法を取るか。いろいろな方法がありますよね。注がれるのを待つ、注いでもらえるようにだれかに頼む、注いでと泣いて懇願する…。でももしも、

「自分で注ぐ」

ことができれば、それがいちばん簡単で確実ではないですか?

水は、「愛情」である場合もあるし、「自分のやりたいこと」「ほしいもの」、なんにでも置き換えられると思います。それらがたりないとき、自分で水を注いで満タンにすることができれば、人に頼らなくてもすみますし、思いどおりに手に入らないとイライラすることもありません。それに、思いがけず人から注いでもらったときは、大きな感謝の気持ちを持つことができます。自分のコップが満タンなら、人のコップに水を注いであげる余裕も生まれます。だから、私自身も、子どもたちも、「自分で水を注げる人」になれればいちばんいいなって。もちろん、いろいろ工夫しても、自分自身だけでは水を入れられない場合もあります。でも自分でなんとかできる部分は、伸ばしていきたいと思っています。