ペットの柴犬の写真をツイッターに投稿し続け、その自然体のかわいさが人気となっている
@inu_10kg。ESSEonlineでは、飼い主で写真家の北田瑞絵さんが、「犬」と家族の日々をつづっていきます。
第29回は、親戚のところにやってきた子犬のことです。
親戚の家に柴犬の子犬がやってきた!黒い鼻先が愛おしい
すべての画像を見る(全15枚)「そこやし、これで行こ」そう言って母がエンジンをかけたバイクの後ろにまたがって、久しぶりに母とバイクを二人乗りして町内を走った。
親戚のお家に迎えられた柴犬の子犬に会いに行こうとしていた。赤信号につかまったときに「めっちゃちっちゃいで」「犬も小さかったのに、あっという間に大きくなったよなぁ」と肩越しで喋っていたら、どんどん胸が弾んでいった。
●やってきたばかりの子犬
母とバイクを走らせる1か月前、子犬がやってきたばかりの頃に私は一人で抜け駆けをして会いに行っている。連絡も入れずに訪ねてしまったが、おばちゃんとおっちゃんは「上がって上がって~」と迎えてくれた。そして部屋に入ると、うちにやってきた当初の犬と同じくらいはたまた少し小さい子犬がそこにいた。
子犬がやってきた間なしと思えないような、ずっと長い間ともに暮らしてきたかのような、なじんだ空気感だった。家族の団欒の時間がなごやかに流れていた。
とはいえ私とは初対面だから、目が合って思わず手を伸ばすも警戒されて距離を取られてしまったけれども。
子犬はおばちゃんが立ち上がるとすかさずあとをついていった。
タタタタタタ! 小さな手足から生まれる足音は成犬に比べたら随分テンポが速くて軽やかだ。
だんだん私にも慣れてきてくれたのか、ゆっくり手を伸ばせば受け止めてくれて、コロンと仰向けに寝転んでおなかも見せてくれた。
おなかの毛の薄さ、手のひらで包めそうな小さな身体、あどけない顔立ち。あらゆる要素で彼が生まれて間もない事実が伝わってきて、なでるのにも慎重になった。6年前、犬がやってきた夜も緊張から力んだ。