慌ただしい3月。やることがひとつ終わったと思ったら、次はまた別のことが控えている…。このように「常にやることに追われている人」は少なくないのではないでしょうか。
「“心の余裕”を取り戻したいときにおすすめなのが、あえて1分間、座って目を閉じること。それだけで、頭が整理でき、時間のやりくり上手になります」と話すのは、ヨガインストラクターの高木沙織さん。詳しく教えてもらいました。
忙しいときこそ、1分間だけ目をつぶることが効果的!
「座って目を閉じることがなにになるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
最近注目を集めている“瞑想”の簡単なバージョンだと言うとイメージしやすいかと思うのですが、“自分を調整する”ための時間と聞くと「あーなるほど」となるのでは?
多くの人は、座る時間ができてもなにかしらの作業をしていたり、スマートフォンを操作していたりします。これでは、時間の感覚なんてわかりません。
ただ座って過ごすことは、どんなに短い時間であっても意識をしないとできないことなのです。そして、試してみるとわかるのですがこの1分間って意外と長い!
その時間をただひたすら堪能するのもよいし、次のように呼吸や思考をコントロールすると、うれしい効果も期待できるでしょう。
●呼吸や思考をコントロールする方法
あなたは今、落ち着く場所に座り目を閉じました。
ここからは、呼吸をゆっくりと繰り返してみましょう。「息を吐く~保持する~吸う~保持する」という、いつもの呼吸を少しだけ大きく長くして繰り返してみてください。
(※「保持」とは、息を吐いたり吸ったりする間にできる“間”のこと)
ヨガにおいて、呼吸はどんなポーズよりも大事にされています。呼吸を丁寧に行うことは、「心の作用を止滅すること(心を落ち着かせること)」につながると言われているのです。
やることが多く慌ただしく過ごしていると、どうしてもイライラしやすくなります。イライラを感じやすい人は、座って目を閉じ、深い呼吸をして気持ちを静めましょう。気持ちが穏やかになれば、自分はもちろん周囲の人も優しい空気で包まれてよい循環が生まれるはず。
ポイントは、呼吸をしている自分に意識を向けることです。
●頭の中の整理にも効果的
座って目を閉じているときというのは、頭の中を整理するのにも適しています。
今日やるべきことを順序だててみたり、そのために必要なこと・そうでないことを仕分けたりすると作業効率を高めるのに役立ってくれるでしょう。
もし、試してみて難しいなと感じたら、やるべきことを簡単にポンポンと挙げていってみてください。たとえば、朝に1分間を確保するのなら、「朝食の準備~洗濯~掃除機をかける~片づけ~昼食の準備…」といった具合。
その日のうちに集中したい大きな出来事があるのであれば、そのことだけに集中して頭の中で段取りをシュミレーションしてみるのもいいですよ。
筆者は朝に時間を取る派で、その日のスケジュールを頭の中で整理するようにしているのですが、時間のやりくりが上達したように実感しています。結果、あき時間ができてお茶をしてみたり、なんてラッキーな日も。
ヨガのレッスンに参加してくれている生徒さんたちにも試してみてもらったところ、スケジュールの見落としや漏れを防いだり、「あ、これもできる、こうしたらいいかも」というひらめきが生まれやすくなったりしたとの感想を多くいただきました。
●時間は1分でいい
時間は1分。これなら忙しい日でも確保できますよね。1分ではたりない人や、もう少し長く行いたい人は時間を延ばしてもOK。携帯電話のストップウォッチを設定してもいいし、逆にきっちりと時間をはからなくてもいいです。自分が取り入れやすい方を選んでみてください。
場所はできるだけ静かで一人になれるところがおすすめ。呼吸をメインにおこないたいのであれば別ですが、自宅のトイレでおこなってもよいでしょう。
春はなにかと忙しさに拍車がかかる季節です。皆さんの心が穏やかに、少しでもゆっくりと過ごすことができますように。