セックスに関する悩みは、避妊・妊活・生理などさまざまな場面で生まれますが、ネットのまとめ記事では正しい答えにたどりつけないことも。

今回は、とくに多くの方が気になっている悩みについて、杉山産婦人科理事長で、不妊治療の専門家である杉山力一先生に伺いました。

なかなか聞けないセックスの疑問に産婦人科医が答えます

●Q:妊娠しやすいセックスって?体位や時間帯は関係あるの?

Q&A
妊活中。朝にセックスすると妊娠しやすいって本当?(※写真はイメージです)
すべての画像を見る(全3枚)

妊活中のセックスについては、「男性は禁欲期間(射精しない期間)を数日設けたほうがいい」「朝にすると妊娠しやすい」などさまざまな情報が発信されています。

まずは「質のいい精子を残すために禁欲期間(射精しない期間)を設ける方がよい」という情報について。結論から言うと、禁欲期間を設ける場合・設けない場合で精子濃度に差はありません。

さらに、古くなった精子は運動率が低下してしまうともいわれています。これらのことから、禁欲期間は特別には設けずに、なるべく多くの回数行うことが妊娠の可能性を高めるとされています。

また、時間帯や体位によって妊娠しやすさが変わるという噂がありますが、これらと妊娠率に関連性はないとされています。

「朝にしなきゃ」「この体位でしなきゃ」などと考えすぎてしまうと、かえってストレスが溜まってしまいます。リラックスした状態で行う、ということがなによりも大切です。

●Q:生理中のセックスはなにが危険なの?

ハートを後ろにもつ

一般的に、生理中はセックスを控えるという方が多くいらっしゃいます。しかし、生理中のセックスはなにが危険であるかということや、妊娠する可能性があるのかについては知らないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

はじめに、生理中のセックスで考えられる最大のリスクは、感染症になるリスクが上がることです。生理中の膣や子宮内部は、通常よりデリケートで傷つきやすい状態となっています。そんな中セックスをすると、感染症のリスクがあがってしまうのです。

また、生理中のセックスでは妊娠しないというのは、間違いです。精子が膣内で生きていることがありますし、月経が長引くと、月経と排卵が重なる可能性もあります。

とくにホルモンバランスが不安定な場合、排卵の時期が乱れやすいので、いつでも安全日はないと考え、まだ妊娠を考えていないという方は(避妊を希望している方は)避妊を怠らないようにしましょう。