年齢や金額、成功率…気になる体外受精のリアルをまとめました

●どういう状況なら体外受精を行うべき?-体外受精をおすすめされる例-

体外受精と聞くと、比較的年齢の高い方が選択しているようなイメージをもつ方もいるかもしれません。

しかし体外受精を選択するかどうかは年齢だけではなく、体内での受精が難しいかどうかによって決まります。具体的には、卵子・精子が少ないなどの問題がある場合、左右両側の卵管が詰まっているため排卵が難しい場合、そのほか子宮内膜症など子宮の病気、多のう胞性卵巣(PCO)などが挙げられます。

●体外受精っていくらかかるの?-体外受精の費用・補助金-

1回の体外受精にかかる費用は、薬剤の種類や行う手術の種類によって異なりますが、およそ40万円~70万円とされており、高額であることから体外受精をあきらめてしまう方がいるのも現実です。

しかし、このような高額な医療費の一部を助成してくれる「特定不妊治療費助成制度」があるのをご存じでしょうか?
対象となるのは、以下の条件を満たしている人です。

(1)特定不妊治療(体外受精)以外の治療法によっては妊娠の見込みがない、または極めて少ないと医師に診断された、法律上の婚姻をしている夫婦
(2)治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦
(3)申請日の前年(1月から5月までの申請日については前々年)の夫婦の合算の所得額が、730万円以下である夫婦(※東京都は905万円以下)。

これらは各自治体で助成金の条件や金額、申請方法などが異なります。お住まいの市区町村を管轄する保健所や市区町村役場などへ問い合わせてみましょう。

●どれくらいの確率で妊娠するの?-体外受精の成功率-

体外受精の成功率
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体外受精を検討している方のなかには、一体どれくらいの確率で妊娠するの? と不安に思う方もいるのでは。

実際には、体外に取り出した卵子と精子が受精する確率は約70%とされています。
そこから体内に受精卵を戻し、妊娠するために治療を続けていきますが、体外受精を選択した方のおよそ30%の人が妊娠した、という結果になっています。

この数字はすべての年齢・治療方法を含めた平均になるので、いつ、どのような方法で体外受精を行うかによって、妊娠率に差はあります。

●無理なく通える工夫を考えてみよう

体外受精は頻繁に病院に通わなければならないため、治療中でも働きやすい環境を整えることも大切です。働きながら通える病院を探す、職場に相談してみるなど、できるだけ負担を軽くすることをおすすめします。

体外受精の成功率はこの10年で2倍になったといわれています。体外受精を選択する際は、医師と相談しながら、あなたに合った治療を受けていきましょう。