落ち込んだときは、あがかない。60代で気づいた「自分を甘やかす」大切さ

スイミング仲間と美術館に行ったり食事したりすることも(写真提供 地曳さん)
スイミング仲間と美術館に行ったり食事したりすることも(写真提供 地曳さん)
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――書籍の第6章には、いつも元気な地曳さんが落ち込んで迷走したあと、人間関係の悪縁を断ちきるエピソードが書かれています。どうやって乗り越えたのでしょうか?

地曳:月が満ちたり欠けたりするように、どうしても悪い時期ってあります。昔はそんなときも努力すれば運気が上向くんじゃないかとがんばっていたこともありましたが、60代の今はもう、自分を甘やかすことにしました。人生の沼にハマってしまったときは、あがかない、反省しない、努力しないのが大事。唯一努力したのは、スイミングに行くことだけです。最初は1人で水中を歩くだけでしたが、だんだん周りのマダムたちに誘われて簡単なエクササイズクラスやクロールのクラスに出たりすると、おもしろかったし励まされました。

自分を責めるのもよくないです。全部人のせいにするといい(笑)。するとだんだん、沼が浅くなったり乾いたりしてきます。おいしいもの食べて、お風呂でも入って早く寝る。こじれたものを無理に復活させようとせず、手放す。今振り返ると、しんどかったけれど、執着を捨てるための期間だったのかもしれません。

――2026年の今、円安、異常気象、戦争など、私たちを取り巻く環境が急激に変化しています。先行きが見えなくて不安を感じる人も多いと思いますが、地曳さんは、そんな変化にどうやって対応していますか?

地曳:コロナ禍が終わってこれからは世の中明るくなるしかないだろうと思ったのに、円安だったり天候不良だったり災害があったりして、なんだか不幸慣れしてしまっている気がします。

でもきっと、「ちょうどいい」ってもうないんですよね。気候もなんでも自分の都合のいいようにはならないから、個々のベストでいくしかない。

これから70代に向かっていくにあたって、なによりも大事なのは体力と気力だと思っています。たまに病むこともあるけれど、心身ともになるべく健やかで、自分をいい気分でいさせること。気分が落ち込んだり体が悪くなったら、なにをしても楽しくないですからね。そのためにも、嫌なことは無理してやらない。あんまりがんばらず、ほどほどに。おいしくつつましく、身の丈プラスアルファくらいの感覚でやっていこうと思います。

地曳いく子さんの新刊『新しい大人おしゃれ道』(扶桑社刊)は、60歳からのおしゃれのノウハウをわかりやすくユーモラスにつづった1冊。ファッションだけでなく、お金や人間関係についても、地曳さんならではの筆致で書かれています。

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