●高齢の親や親せきの自動車運転。免許返納したくても生活への影響が大
「田舎の伯父が、足が不自由だけれどいまだに車の運転をやめようとしません。理由は田舎だから車がないと不自由。でもだれかにとって危険かもしれない行為を続けることに違和感があります」(主婦・41歳)
自家用車がないと、高齢者が生活しにくい地域もあります。免許返納をしたほうがよいとわかってはいても、生活への影響を考えるとなかなか踏み切れないことも多いようです。
●今、まさに悩み中!
「父が今70歳で『何歳まで運転する?』ときくと、『80歳かな?』と答えてました。実際に免許返納する場合、今まで車ありの生活に慣れていた両親の生活のサポートも考えないといけないなと思います」(会社員・45歳)
「安全のためには返納して欲しいが、免許を奪ってしまったらどこへも行けない田舎であり、高齢のため重いものを運べないため、車は必要と思ってしまいます」(44歳・アルバイト)
●親だからこそ、言いにくい場合も
「66歳の父が夜は見にくいので運転したくないと言って、昼間しか運転しません。逆に意識してくれているのでいいとは思いますが、車を使う頻度はスーパーとファミレスがメインなので、不要じゃないかなとも思っています。都内に住んでいるので電車もバスもあるのに。でも言い出せません…」(会社員・41歳)
「70代の父に免許返納をそれとなく伝えたことはあるが、ご近所や親せきでもっと高齢の方が車に乗っていることもあり、あまりいい返事はもらえませんでした」(自営業・45歳)
「父の運転が、歳をとって判断が鈍っているなと思うときが多々あります。75歳で免許返納をお願いしているのですが、今は車がないと不便な場所に住んでいるので、免許返納に合わせて交通の便のよいところに引っ越すことも検討しました。ただ、伯父についてはさらに高齢であるにも関わらず今も免許を返納しません。家族からも再三返納するように言っているのですが、運転教習所の教官だったということから運転に自信があるようです。逆送して慌てて家族が止めに入ったりと運転でハラハラするようなことが続いているようなので、なんとかして免許を返納してもらえないかと家族が頭を痛めているところです」(公務員・42歳)
本人の性格にもよりますが、家族が説得するのにも、かなり苦労したり、時間がかかっている声が目立ちました。
●免許返納に関して、どんなサポートが必要か?
「決まった年齢になったらもう一度、教習所に通って試験を受けてほしい」(主婦・34歳)
「免許がない人はバスに無料で乗れるシステムを国がつくってほしい」(主婦・37歳)
「高齢者は車でないと買い物など外出に困るので、高齢者にタクシーの割引制度があればいいなぁと感じます」(アルバイト・44歳)
「義理の親がアルツハイマーなので返納してほしいが、返納したことを忘れて運転して事故を起こしそう。無免許で事故を起こすと保険もきかないと思うし、なにか救済策を国が考えてほしい」(主婦・40歳)
●事故のニュースは悲しいけれど、家族で真剣に話し合うきっかけになれば…!
「5年前に他界した父親の話ですが、亡くなる前に認知症でも運転してました。まだ返納がメジャーではなかったので、認知症がわかってから、車には乗らないでというも頑固で聞かず、車のキーを隠したりしてましたが激怒され、顔を叩かれたり引っ掻かれたりしたことも。車は私も使うので処分できず。頑固な家族だと運転を止めるのが大変です。家族側の状況もサポートしてくれる相談窓口があればよかったなと思いました」(会社員・42歳)
「80歳を超えた祖父から、娘である母や私たち孫にも返納について相談されました。高齢者による事故のニュースをよく見聞きするので、個人的には返納をすすめました。今は自治体からのタクシー券など配布もあるし、維持費や車庫費も浮くので、結果返納した祖父も多少不便はあるかもしれないですが、納得しているようでよかったです」(主婦・34歳)
「父はまだ60代ですが『駅まで運転するのも眠くなることがある』と運転の不安を吐露するように…。池袋の事件を受けて、家族で集まり、話し合いをしたものの本人は免許返納には納得せず。しかし万が一、事故を起こしてからでは遅いので、思いきって車を手放すことにしました」(自営業・33歳)
「祖父が高齢で、免許を返納するしないでもめているとき、こちらも気持ちは苦しかったです。免許と車を取り上げてしまったら、車がないと暮らせない田舎で、自由を奪われてしまうようなものだからです。でも、連日の高齢者による運転ミスで痛ましい事故か起きているのを見ると、周りが止めるのも大切だと感じ、家族でその後の生活も一緒に考えて返納してもらいました」(34歳・会社員)
自動ブレーキがついている車の開発も進んでいますし、地方自治体によっては免許を返納するとタクシー券の配布がある場所もあるようです。ただ、依然、どれも万全とは言えず課題は多く残ったまま。各家庭での柔軟な対応が求められています。
年齢を重ねることよる衰えは仕方ないとしても、多くの人が、心を痛めた池袋の事故。明日はわが身として、親世代も子ども世代も真剣に考え、行動に移すきっかけにしていきたいですね。