今まで着ていた服が似合わなくなった日がきたら

パンツ
「ハバーサック」のパンツ。右がシルクのワイドイージーパンツ。左が高密度で織ったパリッとしたコットンのワイドイージーパンツ。生地違いで同じ形
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先日、春夏もののパンツを2本買いました。信頼するブランドを見つけたら、あまり浮気をせずに、そのアイテムばかりを買い続けるというのが私のショッピングの基本です。でも、じつは先日買ったパンツ2本は、今までとはまったく違うブランドのもの。

ある日これまで当たり前に着続けていた服が、突然似合わなくなることがあります。今回もそうでした。今まで選んでいたのは、トラッドでキレイメなテーパードパンツが中心。その「きちんと感」が最近なんだか「イケてないなあ~」と感じるようになったのでした。

そんなとき、セレクトショップのスタッフさんが履いていたのが「ハバーサック」のワイドパンツでした。ちょっとダボっとしたシルエットで、いつもなら「だらしないかも」と敬遠していたタイプ。でも、シルク素材なので、適度なツヤとしなやかさで、とても上品です。このワイドパンツにキレイメのTシャツを合わせていた彼女のコーディネートがすてきで真似したくなりました。

さっそく代官山の「ハバーサック」にくり出して、彼女と同じネイビーのシルクのパンツと、さらに同じ形でオフホワイトのコットンパンツをゲットしました。このブランドは男性の愛用者も多いユニセックス。お尻が極端に大きいのと、背が高くて、レディースだと丈が短いので、メンズを選ぶことが多い私にはぴったりです。

パンツに合わせるトップスに選んだのは「無印良品」のメンズのシンプルなTシャツです。メンズはレディースと違って、ウエストがシェイプされず、ストンとしたシルエットがシャープで、辛口に着こなすことができます。パンツがやや高価だったので、1枚2000円程度というリーズナブルな価格だったのもうれしいところ。トップスとボトムス、上手なメリハリをつけた買い物だったかも、とひとりで満足感にひたりました。

2011年に立ち上げた『大人になったら、着たい服』というムックは、50歳以上の方のためのおしゃれの本です。その取材で70代のすてきな先輩に教えてもらったひと言が、いまだに忘れられません。

それが「おしゃれに永遠の定番はない」というものでした。「え? おしゃれな人は、上質でシンプルな定番をずっと着続けるものじゃないの?」とびっくり。でも、その方は「同じチノパンでも、5年前のものと今年のものでは、サイズ感やシルエットがまったく違うんです。だから、『もうもってるし』というのは禁句なんです。同じ白シャツでも、Tシャツでも、時代に合わせてアップデートしないと、『古い人』になっちゃうんですよ」

それを聞いてなるほど~!と納得しました。私が、「突然似合わなくなった気がする」と感じていた違和感は、時代に合わなくなる、という意味だったのかもしれません。そんな微妙な違いを見逃さず、「せ~の」で買い替えるのが、大人のおしゃれのアップデート。 

衣類
「ジョンスメドレー」のメンズのクルーネックセーター。メンズはウエストがシェイプされていないボックス型のシルエットなので、シンプルに着こなすことができます

去年は、ずっと着続けていた定番のカシミアセーターの衿のあきが気になってきました。「もう少しつまった衿のものが欲しい」と探しに探し、老舗のニットブランド「ジョンスメドレー」のメンズのニットセーターを、ネイビーとグレーの2色、大人買い!
「ジョンスメドレー」となると、セーター1枚が5万円ほどします。それを2色買うのは、かなりの覚悟が必要。でも、若い頃と違って、「勝負服」は必要なくなるので、普段のベーシックなアイテムにこそ、がんばってお金をかけるのがいいかなと感じています。

あれこれ変化をつける必要はなく、多くの枚数も必要なく、セーターもパンツもTシャツも新しいものを2着ずつ。それを軸に、古いものと組み合わせて「今の気分」を楽しみます。おしゃれの始まりは「違和感」なんだと思います。

表紙

最後の答えは、きっと暮らしの中にある。

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