3:「美しい」を合言葉に生活する

和室
自分にとっての美しさの基準をつくる
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「美しい」という言葉を合言葉のように、日々の暮らしの中で静かに意識するようにして
います。片付けなければ、整えなければと自分を追い立てるのではなく、今この状態は自
分にとって美しいかどうかを基準に考える。そんな視点を持つだけで、日常の所作や空間への向き合い方が少しずつ変わっていくように感じています。

洗濯物を干すときには、風に揺れる様子まで心地よく見えるかを意識し、食器をふいて並べるときには、重なり方や向きが整っているかをさりげなく整える。

テーブルや棚の上に置かれた物がわずかにずれているときも、ほんの少し手を添えて位置を直しておくだけで、空間の印象は整っていきます。

どれも特別な作業ではなく、暮らしの流れの中にある小さな動作ですが、「美しいかどうか」を基準にすると、その1つ1つが自然と丁寧になっていきます。

この感覚が身についてくると、乱れた状態がどこか落ち着かないものとして感じられるよ
うになり、無理に片付けようとしなくても、自分の感覚の方から整った状態へと戻そうとする力が働きます。部屋だけでなく、動作やものの扱い方、時間の過ごし方にまで美しさを求めるようになると、整えることが義務ではなく、心地よさを保つための自然な行動へと変わっていきます。

大げさなことをしなくても、小さな美しさを積み重ねていくことで、暮らしは少しずつ整っていきます。自分が心地よいと感じる基準を大切にしながら、美しいと思える状態を選び続けること。その繰り返しが、無理をしなくても片付いた状態を保てる暮らしにつながっていくのだと思います。

4:仮置きの場所をつくらずものの住所を決めておく

食器
食器もすべて住所が決まっています

家の中にはできる限り、仮置きの場所をつくらないよう心がけています。なんとなくものを置いておける場所が増えるほど、そこは少しずつものが集まる場所になり、気づかないうちに空間を侵食していきます。

最初はほんの1つ2つでも、仮置きが許される場所が家のあちこちにあると、ものは自然と分散し、整った状態を保つことが難しくなってしまいます。だからこそ、曖昧に置けるスペースをなるべくつくらず、1つ1つのものにきちんと住所を与えておくことを大切にしています。

日常的に使うものには、それぞれの定位置を決め、使い終えたらその場所へ戻す。たったそれだけのことですが、ものの居場所がはっきりしていると、空間の秩序は保たれていきます。どこに戻せばよいかが明確であれば、迷いもなく、動作の流れも途切れません。

見た目の美しさだけでなく、動線の中で無理なく戻せるかどうかを基準に配置を考えておくと、この習慣は自然と身についていくように感じます。ものが定位置に収まっているだけで、視界に入る情報が整い、部屋全体が落ち着いた印象になるのは不思議なものです。

それでも、すぐには手放す決断ができないものや、どうするか迷うものが出てくることもあります。そうした場合のために、私は「保留中の箱」を1つだけ用意し、そこに入れたものは一定期間保管してもよいというルールを設けています。

期限を決めておくことで、迷いを長引かせずに済みますし、時間をおいて見直すことで、本当に必要なものかどうかも落ち着いて判断できるようになります。

大切なのは、迷う物をあちこちに分散させないこと。1つの場所にまとめておくことで、空間も気持ちも整いやすくなります。

仮置きの場所を増やさず、ものの住所を明確にしておくことは、散らかりにくい部屋づくりの土台のようなものだと思います。特別な収納術や大がかりな片付けをしなくても、戻る場所が決まっているだけで、空間は自然と整っていきます。小さなルールを暮らしの中へ組み込むことで、無理をしなくても心地よい状態を保てるようになり、その積み重ねが整った空間を育てていくのだと感じています。