実家の片付けや遺品の整理は、想像以上に時間も気力も奪われるもの。元・捨てられない気質の整理収納アドバイザー・よしいさん(30代後半)は、遺品整理をきっかけにものとの向き合い方が大きく変わったそう。そんなよしいさんが「実家の片付けで直面した悩みと、そこで得た気づき」を紹介します。
すべての画像を見る(全4枚)遺品整理で「帽子20個と書類ファイル30冊」を見つけた
今から7年前、私の両親は40年以上住んだ一軒家を引き払って、コンパクトなマンションに移住しました。引越しにあたって大量のものを処分していたので、そこまで遺品整理は大変ではないだろうと、私はタカをくくっていたのです。しかし、父の遺品整理は想像していたよりずっと大変でした…。
休日に少しずつやれば終わると思っていたのに、実際に始めてみると、時間も気力もどんどん削られていくのです。とくに多かったのが、父の趣味だった「20個以上の帽子と大量の書類」たち。とくに金属のバインダーにとじられた書類ファイルは、数えてみると30冊以上もありました。そのほかにも父の書斎には、
・古い契約書
・取扱説明書
・茶色くなった40年前の本
・5年分の携帯電話の料金明細とメモ
もぎっしり。父は古いものから最新のものまで、とにかく全部取っておく人でした。「こんなに取ってあったんだ…」と、娘ながらに戸惑いました。
「なにが大事か分からない」ことに困った
書類整理でいちばん困ったのは、なにが家族や父にとって大事かわからないことでした。どれが最新で、どれが古くて不要なのか、本人でないと判断が難しいのです。書類をひとつひとつ確認し、バインダーを分別し、個人情報の部分を破って分別する…その作業は、精神的にも体力的にもこたえました。
そんな遺品整理をとおして行き着いた答えは、「ものは残さないほうがよい」という考え方でした。これは、思い出を大切にしないという意味ではありません。ものは使う人がいて、初めて役割を発揮できるもの。使う人がいなければ、輝きを失った死蔵品になってしまうのです。
実際に片付けてみたところ、お金や契約に直接関係する書類を除けば、紙類のほとんどは最新版でたりるものばかり。写真や大切な手紙も「全部は残さなくてもよい」と判断しました。結果的に、本当に必要なものは驚くほど少なかったのです。
手もとに残す=「手放す判断の先送り」につながる
遺品整理をとおして、ものをとっておく行為は「判断の先送り」につながると気づきました。他界したら、ものを手放すor手放さないといった判断は家族に託すことになります。結果的に、未来の自分や家族に負担がかかってしまうのではないでしょうか。
この経験をきっかけに、私自身のもののもち方も変わりました。残しておけば安心ではなく、その都度残す・処分することに安心感をもてるようになったのです。


