1日の終わりに、つい子どもに聞きたくなる「今日はどうだった?」という問い。しかし、子どもの口から出るのは「うん」「普通」といった、いまいち味気ない反応で、ヤキモキしてしたことがある人も少なくないのではないでしょうか? 多数の教育機関と連携しながら子どもの未来のサポートと研究を行っている「いこーよ 子どもの未来と生きる力研究所」によると、子どもが自分から話したくなるような聞き方をすることが大切、といいます。詳しく教えてもらいました。

※ この記事は『自立した子どもになるための やらない子育て』(扶桑社刊)より一部を抜粋し、再編集しています。

家族団らん
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“おもしろがる”姿勢で子どもの話を聞いてみる

学校での様子が心配で「今日どうだった?」とたずねるも、「普通」と返ってくる。

「楽しかった?」と聞いても、「うん」と一言。親としては学校でいったいなにをしているのか、うまくやれているのかと心配になりますが、子どもが積極的に「話したい!」という気持ちにならないかぎり、なかなか会話は広がらないものです。

また、過去に親に話を聞いてもらえなかった、話したら余計なことを言われた、否定されたなどの経験があると、子どもは余計に話したがらないでしょう。

●子どもの発言を「ジャッジする」のはNG

コーチングの現場では、コーチたちは子どもに根掘り葉掘り話を聞くことはありません。常に「なにそれ、面白いね!」という興味の視点を持って、子どもの発言ひとつひとつに耳を傾けています。

話の内容がよいか悪いか、すごいかすごくないかなど、決してジャッジしないのです。

たとえば、「今日はなにが楽しかった?」と聞いて「算数が楽しかった」と返ってきた場合。「算数のどこが楽しいの?」「他の教科となにが違うの?」と、“算数が好きだ”という事実をおもしろがって、その視点から話を深掘りしていきます。

すると、徐々に話題が広がり、話が盛り上がっていくのです。

そうやって「あなたに関心がある」というメッセージを送り続けることで子どもは安心し、親に話せない内容もコーチには打ち明けてくれるケースもあります(この場合、お子さんとの約束を守り、親御さんには内容をお伝えしません)。

家庭でも、なにかを聞き出そうと積極的に問いかけるのではなく、子どもの話に興味を寄せる意識で、子どもの発言ひとつひとつを大事に扱って会話してみてください。

余談ですが、技術に長けたコーチでも、自分の子どもとの会話だと、感情が入るなどで難しいこともあると聞きますから、最初はうまくいかなくても大丈夫ですよ。