4:バケツ型のバッグ

バッグ
バケツ型のバッグは使いやすく、つい手にとってしまいます
すべての画像を見る(全6枚)

これまで外出の際は、気軽さを優先してエコバッグで出かけることがほとんどでした。ただ、旅行のときも、日常のちょっとした外出のときも、場面を選ばずに使えるバッグが1つ欲しいと、心のどこかで感じていました。

そんなとき、PHEREのオンラインストアを眺めていて、TEMBEAとの協業でオーダーしたというバケツ型バッグを見つけました。もしすべてがキャンバス地だけのデザインだったら、きっと購入には至らなかったと思います。

持ち手などの要所にレザーが使われていること、そして大好きな黒であることに、自然と心が傾きました。さらに、使い込んでくたくたになった姿まで想像できたことが、決め手になったのだと思います。

実際に使ってみると、その使い勝手のよさは想像以上でした。たっぷりとした容量があり、パソコンや本など重さのあるものを入れても、不思議と負担を感じにくいのです。しっかりとした深さがあるので、撮影の仕事で外に持ち出す三脚も、気負わずバッグの中にがさっと入れて持ち運ぶことができました。

また、持ち手には、鍵などをとめておけるループがついていて、カバンの中で行方不明になりがちな小物をすぐに見つけられるのもうれしいポイントです。こうしたささやかな心遣いに、道具としての誠実さを感じます。

これから先、表情が変わるほど使い込んで、もしボロボロになったとしても、その都度修理をしながら大切に使っていきたいと思います。

・BAGUETTE TOTE

5:黒い片口(かたくち)

片口
万能な器、片口は1つはもっておきたいもの

ものの手放しを進めてから、器の数はほぼ固定され、新しく迎えることはほとんどなくなりました。食器棚の中身が定まり、日々使う器も自然と決まっていくなかで、ただ1つだけ、ずっと探し続けていたものがありました。

それが「片口」です。料理の器としても、酒器や茶器としても使えて、あるとなにかと重宝する存在。1つだけでも、心から納得できる片口を手元に置きたいと思っていました。

そんなときに出合ったのが、器作家・森岡成好さんの黒い片口でした。自然そのものを思わせる佇まいで、どこか作為を感じさせない、その雰囲気に強く惹かれました。完成されすぎていない、けれどたしかな存在感があり、気づけば迷うことなく食器棚に加えることを決めていました。

土そのものの表情がそのまま生かされていて、使用前に軽く水にさらすと、器全体がしっとりと落ち着いた表情に変わります。黒一色に見えて、よく見ると茶色味を帯びた部分があったり、光を受けてほのかにツヤを感じさせるところがあったりと、1つの器のなかにいくとおりもの表情が潜んでいます。その変化を手の中で感じながら使う時間も、この器の楽しみです。

茶を注ぐにも程よい形状で、持ったときの収まりもよく、やはり片口は1つはもっておくべき器なのだと、使うたびにしみじみと感じています。用途を限定せず、暮らしのなかで自然と役割を広げてくれる存在は、数をもたずとも十分なのだと教えてくれるようです。

友人が和歌山にある工房へ何度か行ったことがあるようで案内をしてくれるとなり、旅の楽しみも増えました。器との出合いが、次の時間や場所へと静かにつながっていく。そんな流れに心温まり、うれしく感じています。

・片口 19800円

※ 紹介したアイテムは、すべて著者自身で購入した私物です。店舗への問い合わせはご遠慮ください

※ 紹介した商品は、取材時に各店舗で販売されていたものです。店舗により価格や取扱商品は異なります。仕入れ状況によって同じ商品がない場合や、既に販売終了している可能性もありますので、ご了承ください