53歳でスペインに単身留学し、その後も帰国せずに異国での暮らしを続けて、現在はジョージアに滞在中のRitaさん(56歳)。ふとした瞬間に「あれ? この光景、もう何か月も見てない」「もしかして日本だけの習慣だった?」と思うことがあるそう。今回は、Ritaさんが海外で暮らすなかで、「これは“日本独特”だったんだ!」と感じたものを7つ、レポートしてくれました。

街並み
海外移住で気づいた日本独特の文化をご紹介
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1:街角でもらえる「ポケットティッシュ」

日本では、駅前を歩いていると「どうぞ」と手渡されるポケットティッシュ。広告入りでも、その“ありがたさ”を無意識で受け取っていました。

しかし、海外に来て、街角ティッシュが日本だけかもしれない、と気がつきました。海外で配られるものといえば、たいてい紙チラシのみです。

汚れをふくためや、鼻をかむため、さらにトイレ事情にも役立つ、こんな万能アイテムが、海外で無料で手に入るわけありません。当たり前すぎて気がつきませんでしたが、「暮らしに寄り添う日本の心づかい」をしみじみ感じます。街角でもらえるポケットティッシュは、海外に来たら“ほぼ高級品”級のありがたさです。

2:タクシーの「自動ドア」

タクシー

海外でタクシーに乗るたびに、いまだに戸惑うことがあります。

それは、ドアが自動で開かないこと。

日本では、タクシーに近づいた瞬間ふわっとドアがあき、降りるときもタイミングよく閉まってくれる。あの「おもてなしの魔法」は、日本独自に思えます。

乗るときも降りるときも、すべて「手動」が海外の基本。運転手さんは運転席から動かず、こちらが「よいしょ」とあけ閉めするのが普通です。

日本では当たり前すぎて気づきませんでしたが、あの完璧なタイミングで開くドアは、便利さと安全への配慮が詰まった、間違いなく日本の美しい文化です。

3:雨の日、買い物袋に「ビニールカバー」

日本のお店で、雨の日に買い物をすると、店員さんが「濡れないように」と、紙袋にビニールカバーをかけてくれることがありますよね。あの自然な気配り、私はまだ一度も海外で出合っていません。

先日雨の日に、ケーキを買ったときのこと。小さな箱を大事に抱えてきたつもりが、家に着いた頃には、箱が“ふにゃり”と輪郭を失いかけ、ほぼ気力だけで形を保っていた状態でした。

その瞬間、「日本のあのビニール、なんて恵まれていたんだろう…」と実感しました。単なるサービスではなく、「あなたの荷物、大事に運んでね」という、優しさだったと気がつきました。日本のそんな気づかいが恋しくなる瞬間は、雨の日ほど多い気がします。