『装苑』の元編集長で、現在はファッションコーディネーターとして活躍する徳田民子さん(80歳)。16年前に長野県安曇野市へ移住したのをきっかけに、暮らしがとてもシンプルになったそう。ここでは、徳田さんの新たな挑戦について紹介します。

※ この記事は『80歳、私らしいシンプルライフ』(幻冬舎刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。

安曇野を歩く徳田民子さん
徳田民子さん(80歳)が、新たな挑戦をするうえで心がけていることとは?
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やりたいことがあったら行動したほうがいい

私はやりたいことがあったら、まずは行動するタイプ。「ちょっと気になる」「おもしろそう」と思ったら、直感を信じてやってみる。移住を決めたときもそうでしたし、でも、大げさなことでなくて、日常の小さなことも同じです。

まず行動する。そうすると、気づいたときには、世界が広がっているように思えるからです。

徳田さん
金属性のボールを投げて競うペタンク。「メンバーみんな、マイボールを持参します」

数年前から夫婦で楽しんでいるのが「ペタンク」です。フランス発祥の球技で、ビュット(目標球)に向かって金属製のボールを投げ合います。たまたまご近所の方に誘われたのがきっかけですが、じつは夫も私も、海外の旅先でおじいちゃんおばあちゃんたちがペタンクを楽しむ光景を見かけたことがあり、印象に残っていました。だから、こうしてお誘いを受けたのもなにかのめぐり合わせと、迷わず参加することにしたのです。

週1回、4月から11月の天気のいい日に仲間と近所の公園に集い、2時間ほどプレーします。やってみると私たち夫婦の年齢にほどよい運動量ですし、どれだけ目標球に近づけられるかを競うシンプルなルールですが、意外と奥が深いんですよ。それに投げるときのスタイルには、その人の性格がよく出ます。大胆に攻める人、慎重にじっくり考える人、直感的に投げる人…。そういう違いが見えてくるのがとてもおもしろいんです。

普段の暮らしではあまり大きな声を出す機会がないけれど、ペタンクをしているとエキサイトして「よし!」「惜しい!」と、つい声を大きく張り上げることも。林に囲まれた公園で、青空の下、のびのびと体を動かしながら、声を出せるのも壮快です。試合の合間には、ちょっとしたおしゃべりもあって、ご近所の方と地元の情報を交換する場にもなっています。