大の漫画好きとしても知られるTHE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さんが今イチオシの作品を紹介。ここでは、人との交流や薬膳料理をきっかけに主人公が自分を受け入れていく、『しあわせは食べて寝て待て』について語ります。
薬膳が、心と体を軽くする
『しあわせは食べて寝て待て』水凪トリ/著 秋田書店刊(1)~(5)巻
病気の関係で、週4回のパート暮らしをしている麦巻さとこ。収入減を機に家賃の安い団地へ引っ越し、大家の鈴さんと同居人の司と出会う。そこで、薬膳のすばらしさを説かれ…。

しあわせは食べて寝て待て1(1)(秋田レディースコミックスデラックス)
独身の麦巻さんは難病を患い体力を失い、週4日のアルバイトに転職、人生を消極的に捉えるようになっていました。しかし、引っ越し先の団地で隣に住む92歳の鈴さんや、薬膳料理について豊富な知識をもつ司さんのお陰で、灰色の毎日が料理のように彩りを増したのです。
時折、鈴さんが「今までの自分と比べずに新しい自分になればいい」とか、「果報は寝て待て」といった言葉をかけることで、麦巻さんの心にも余裕が生まれてきます。その後、バイト先で今まで隠していた膠原病のことも会社の同僚に告白、自然な形で現状を受け入れ、麦巻さんは新たな日々をコツコツ積み重ねる努力をし始めるのです。
ふとしたきっかけで心がきり替わることってありますよね。このコミックは日常生活での心身のストレスを和らげてくれる作品だと思います。人との交流や薬膳料理が物語にとって重要なアクセントとなって、コミュ障気味な自分にとっても心が軽くなるような作品でした。
