通勤や子どもの送り迎えに自転車を利用している方は多いのではないでしょうか。より快適な乗り心地を求めて自転車をカスタムすることがあるかもしれませんが、それがじつは交通ルールに違反している可能性も…。そこで今回は警察庁交通局交通企画課 理事官・須永敦雄さん(取材当時)に自転車のルールについて教えてもらいました。

そのカスタム、じつはNGかも…?(※画像はイメージです)
そのカスタム、じつはNGかも…?(※画像はイメージです)
すべての画像を見る(全3枚)

自転車に子どもは何人まで乗せられる?

自転車は原則として運転者以外の人を乗せる“二人乗り”はできません。ですが、一定の条件を満たせば、お子さんを同乗させることも可能です。自転車にお子さんと一緒に乗車している光景は街中でもよく見かけますが、実際に何人まで同時に乗車していいのでしょうか?

「まず運転者は必ず16歳以上でなければなりません。一般に使用されている普通自転車に幼児用座席を設けることで、小学校入学前のお子さん(6歳未満)を1人に限り乗車させることが可能です。また、“幼児2人同乗用自転車”であれば、同じ条件のお子さんを2人まで乗車させることができますよ」(須永敦雄さん、以下同)

●おんぶはOK。でも抱っこはNG!

だっこひも
※画像はイメージです

なかには子どもをおんぶして乗せているという方もいるのでは? 子どもをおんぶヒモで背負って乗車することは問題ありません。ですが、前抱っこをした状態(ヒモの有無関わらず)での運転は禁止されています。

「抱っこした状態で運転すると、お子さんが足に引っかかる可能性や安全面の問題もあります。また、おんぶヒモでの同乗が全国的に認められているのは4歳未満。ただし、運転者の年齢は16歳以上である必要がありますが、同乗できる子どもの年齢は自治体によって異なる(東京都の場合は6歳未満)ので、詳しくはお住まいの都道府県の条例や規則をご確認ください」

都道府県公安委員会規則によって異なる年齢ですが、小学生以上の同乗は全国どこでも禁止されています。小柄だから…といって安易な気持ちで同乗させることはNGなので、必ず従いましょう。

自転車グッズ、取りつけても「いいもの」「悪いもの」

最近では自転車にまつわる便利グッズも多数販売されていますよね。数ある自転車グッズの中で、取りつけることが禁止されているものがあるのでしょうか? まず気になるのは「スマホスタンド」です。

「スマホスタンドをつけること自体は問題ありません。ですが、走行中にそのスタンドについているスマホを“ながら見”しての運転はNGです。昨年の道路交通法の改正で、罰則の対象になりました。一瞬見る程度なら問題ありませんが、注視することは非常に危険です」

一時期ニュースでも話題になった「傘ホルダー」。これは多くの人がNGと認識していますが、じつは取りつけること自体はNGではないそう。

「傘をつけるための器具の装着自体は問題ありません。ですが、実際にその傘をさしてしまうと、『積載している状態』になり、都道府県公安委員会規則の積載の制限(高さや幅)の違反に当たる可能性があります」

手で傘をさした状態は、視野の妨げや、風で煽(あお)られる危険性があります。これは、走行の安定性が害される状態。こういう状態での運転は、道路交通法で禁止され、罰則の対象となる可能性があるので、絶対にしないように気をつけましょう。