ものが増えがちなクローゼット。毎日使う場所だからこそ、心地よく整えたいですよね。夫婦2人で築35年の賃貸マンションで、ものを厳選してすっきり暮らす、深尾双葉さん(41歳)は、洋服を手放すにあたり、「組み合わせに悩まなくていい服を残す」という基準を設けたそう。管理がラクな素材のものを残す、余分なアクセサリーはもたない、など、深尾さんに「後悔しない洋服の残し方」についてお聞きしました。

※ この記事は『ほんとうの豊かさに出合うための9週間』(KADOKAWA刊)に掲載された内容を一部抜粋・再編集しています

深尾双葉
深尾双葉さん
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色を絞って着まわしの手間を省く

深尾さん

ものを手放し始めたときはすでに、自分の生活における洋服の優先度はそれほど高くなかったこともあり、組み合わせに頭を使わなくていい、コーディネートしやすいものを残すという基準にしました。

自分のファッションを考えたときに、好きな色は黒と白。ものを手放し始める1年ぐらい前から服はその2色をベースにしていたので、黒と白、その系統で灰色とクリーム色の服を1部のみ残しました。

鮮やかな色や柄物で個性を出すタイプの服は、組み合わせに気を使うと感じたので手放すことに。印象的な色や柄の利かせ方、トップスとボトムスのバランスの取り方などはファッションのおもしろさの1つだと思うのですが、今の私は若い頃とは違って興味をもてずにいました。それに色が入ると、またその色に合わせて新たな1着を探さなければいけないことも、服が増えていく原因になっていました。

それがモノトーンなら、どれを組み合わせても問題なくなじみますし、ワントーンで着て1色の奥行きを楽しむこともできます。手に取る服は、1シーズンでも上下合わせて4~5着程度。クローゼットに彩りを添えるだけの服はすべて手放しました。

「日本の伝統色」を調べると、黒といってもたくさんの種類があることがわかります。漆黒(しっこく)、濡羽色(ぬればいろ)、呂色(ろいろ)…。名前も美しいですね。ただの黒と思わず、1つの色の広がりを楽しんでみてください。