ヒュッゲを楽しむ3つのモットー
すべての画像を見る(全2枚)ヒュッゲを楽しむためのモットーは『手間暇かけない』『無理しない』『負担はみんなで少しずつ』の3つだといいます。
「わいわいとキッチンに立つ段階から盛り上がるし、それぞれの得意料理を自然に教え合うこともできる。料理好きの友人もいるので、私が作るよりも格段においしく、手際よく作ってくれます」(有川真由美さん、以下同)
実際にこんなエピソードも。
「ある料理男子に『鍋料理を担当してもらえる?』とオーダーしたら、彼は家で2種類の出汁と4種類の薬味、タレを仕込んで、新鮮なブリのしゃぶしゃぶ鍋と、煮込んだ鶏鍋を鍋ごと持参。舌の肥えた女性たちも『こんな最高の鍋は、お店でも食べられないわ』と大感動でした」
“おもてなし”とは、本来は礼儀や接待ではなく、持て成す(心をもって物事を成す)こと。
「ホストが『どうしたら喜んでもらえるか』を考え、客人に余計な気遣いをさせず、対等に敬意をもって心地よく過ごすことで『和』ができていく…が本質。そう、だれもが笑顔になれるこのスタイルこそが、私なりの『おもてなしの形』なのです」
ホームパーティでも映える、簡単“ほったらかし料理”
有川さんが最近ハマっているのがオーブン料理。
グリルと聞くと手間がかかりそうですが、じつはとてもシンプル。季節の野菜や肉、魚を切って並べて、オーブンに入れるだけ。仕込んだら放っておくだけで、仕事や家事のあいだに完成するので、料理が苦手な人にもオススメです。
「私がよくやっているのは、耐熱皿に旬の野菜を大きく切って並べ、オリーブオイルと塩かけて、230℃で30分にセットするだけのグリル料理。じっくり熱を入れることで、素材のもつ甘みや香りが余すことなく引き出されるのです」
簡単なのにご馳走感たっぷり。ホームパーティではそのまま大皿料理として並べられて、食卓を華やかにしてくれるうえ、洗い物も少なくてすむなどいいことずくめ。
オーブン料理以外にも、つくりおきにもおもてなしにも使える“ほったらかし料理”を、有川さんに教えていただきました。
「ほかにも厚みと密封性のあるステンレスや鋳物ホーローなどの鍋に野菜や肉を入れ、塩やハーブを入れて煮るだけの無水料理、フライパンにもやし、白菜、水菜、小松菜などミルフィール状に敷き、最後に豚肉、鶏肉、ソーセージなどをのせて蒸し焼きし、ポン酢やタレで食べる蒸し料理もあります」
シンプルな味つけが基本だから、具材の組み合わせは自由自在。自分なりのアレンジを見つける楽しみもあります。
有川さんが、料理のモチベーションを高める秘訣は「シンプルでラクちんで、映える」こと。料理が苦手な方も“ほったらかし料理”をレパートリーに加えれば、食生活がさらに豊かになりそうです。
ラクする=手抜きではありません。自分も周りも無理をせず、おいしいものを味わうのがいちばんの理想。有川さんのルールを参考にして、心が豊かになる料理を取り入れてみてはいかがでしょうか。

