地震や台風の被害で、長期間の避難生活を強いられることになったら…。心配ですよね。そんなときに心の支えとなる「食事の備え」や、主食であるお米の簡単な炊き方を紹介します。ここでは、元大阪市消防局職員で防災アドバイザー・タイチョーさんに教えてもらいました。
※ この記事は『大地震・津波・集中豪雨が起こったそのときに NG行動がわかる防災事典』(KADOKAWA刊)に掲載された内容を一部抜粋・再編集しています
すべての画像を見る(全4枚)食べ慣れたおいしい食事で避難生活を乗りきろう
災害時の食料は大きく2種類に分けられます。1つ目は「緊急避難用」の食料です。常に持ち歩いたり非常持ち出しバッグに入れたりして、緊急避難時の空腹に備えます。2つ目が「避難生活用」の食料です。支援物資が届くまでの3~7日分を備蓄します。
避難生活でもできる限り普段どおりの生活に近づけることで精神面を安定させることができます。甘いお菓子なども備えておくとストレス緩和に役立つでしょう。
●緊急避難用
アメ・クラッカー・羊かんなどのお菓子、プロテインバー・栄養ゼリーなど、カロリー摂取を目的とし、すぐに食べられるものを用意します。
●避難生活用(3日分、できれば7日分を備蓄)
食べ慣れているものを選び、普段から食べて買いたします。器にビニール袋やラップをかぶせて使うと洗い物を減らして節水できます。
主食系は米・パスタ・袋麺など、おかず系は缶詰(ツナ缶・サバ缶など)、レトルト食品、ドライ食品など、デザート系はフルーツ缶、ナッツ、ドライフルーツなどが当てはまります。
●支給されない食料を優先して備える
高齢者や乳幼児、子ども、アレルギーのある人など、支援物資ではまかなえない食料を優先して備蓄するようにしましょう。
●5年以上保存できる備蓄食品に限定しない
普段食べているものを多めに買い、食べたら買いたすローリングストック法で備蓄すれば、長期保存の食料にこだわる必要はありません。
●水と食料を備蓄して安心するのはNG
「なにか防災をしていますか」とたずねると「水と食料を備蓄しています」と答える人がいますが、それは誤りです。防災でいちばんに考えるべきことは「命を守ること」であり、その対策を最優先にしてください。備蓄は命が助かってから必要になるものです。