大の漫画好きとしても知られるTHE ALFEEのリーダー・高見沢俊彦さんが今イチオシの作品を紹介。ここでは、古本屋を始めた読書好きな店主が主人公のコミック『本なら売るほど』をご紹介します。

高見沢俊彦さん
THEA LFEEのリーダー・高見沢俊彦さんがイチオシ漫画を紹介!

本を通じて、人と人がつながり合う

本なら売るほど』児島 青/著 KADOKAWA刊 (1)~(2)巻

読書好きが高じて、古本屋「十月堂」を始めた主人公。その人柄と品ぞろえに引かれ、読めない古典に憧れる青年や背伸びしたい年頃の女子高生など、今日もさまざまな客が訪れる。

本なら売るほど 1 (ハルタコミックス)

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脱サラして古本屋を開いた店主が主人公のコミック。古本屋は、不要な本を処分するために訪れる客と、廃刊になった本を探し求める読書愛好家が、異なる目的で集まる場所になっています。だからか、各話で展開されるエピソードは、本好きにとって非常に魅力的でした。

ある客の言葉が印象的で、「読まれなくなった本はだれかに捨てられる運命にあるが、無関心な人に処分されるよりは、心のある人に見送られたい」という本に対する深い思いが伝わってきました。

作者の趣味にかなりマッチしているのか、ここで紹介される本は自分の好きな作品ばかりでした。そのなかには、以前途中で挫折した本や、記憶の片隅に追いやっていた作家の本も含まれており、思わず父や兄の本棚をぼんやりと眺めていた幼少期の記憶がよみがえってきました。

読書で得た知識や感動は一生の宝物ですね。久しぶりに、自分の本棚から懐かしい本を手に取って朝まで読みふけってしまいました。