物価高やコメの価格上昇が止まらず、日々の買い物に悩む人も少なくありません。では、海外の買い物事情はどのようになっているのでしょうか? 今回は、アメリカ・シアトルに約20年暮らし、子育てに奮闘するライターNorikoさんに、現地の食材の買い出し事情を教えてもらいました。
すべての画像を見る(全4枚)日本のスーパーでの買い物は危険!?
日本に一時帰国している際、日本のスーパーやコンビニを訪れるたびにドキドキしてしまいます。魅力的なものがたくさんありすぎて、ついカゴに入れたくなる衝動を抑えるのが難しいのです。
私にとっては、物欲が止まらない危険地帯。しかも、食品やサービス価格の高止まりが続くアメリカから見れば、円安であることを差し引いても、値上げラッシュとはいえ、まだまだ割安!
日本なのだから、日本人である私が欲しいものしかないのは当たり前。アメリカと比べて、野菜や肉、魚から、総菜コーナーに至るまで、あらゆる選択肢があり、品ぞろえがすごい。代わり映えしないアメリカのスーパーの棚とは大違いです。
思えば、日本でひとり暮らしをしていた頃は、学校帰りや仕事帰り、ほぼ毎日のように買い物をしていたような気がします。どんなに忙しくても閉店間際に駆け込んでは、自炊して節約。半額シールのはられた刺し身パック1つあれば、ぜいたくな晩酌になりました。
それこそがアメリカとの大きな差なのかもしれません。アメリカは生ものを食べる文化、習慣が根づいていないせいか、「その日買ったものはその日のうちに」というような種類の商品が、そもそも少ないように思います。
たとえば渡米して間もない頃、びっくりしたことがあります。スーパーで買った食パンが、いつまでもカビないのです…。アメリカでは、製造日や販売期間の表示はあっても、消費期限や賞味期限は記載されていないことが多く、食べるべきかどうかは勘で判断するしかありません。
アメリカ生活で変わった買い物習慣
では、毎日買い物する必要もないのでは? と思われるかもしれません。そうなんです。アメリカのスーパーは、いつ行っても品ぞろえはほぼ同じ、その日に消費する必要もなし。ということで、だんだんと買い物の回数が減っていきました。
コロナ禍に突入後、さらに買い物の回数は激減。当時のアメリカでは、事前にオンラインで注文しておき、袋づめされた商品を店先で受け取って持ち帰るというシステムが、小売店や飲食店では常識となっていました。
感染リスクを考えればやむを得ないのかもしれませんが、買い物の行為自体に楽しみを見出していた私のようなタイプの人間にとっては、おもしろ味に欠けるシステムでした。
リモートワークで外出する機会も減るなか、「ついでに買い物」という習慣もなくなりました。週1回のまとめ買いが、そのうち隔週で十分、いや月1回でもOKか、と間隔が自然にあいていったのです。