「捨てなきゃ」という考えに縛られるのをやめたことで、片付けがラクになった事例を紹介します。整理収納コンサルタント・須藤昌子さん(50代)のケースです。ここでは、須藤さんの片付けに対する気持ちや向き合い方の変化について語ります。
すべての画像を見る(全5枚)ものを減らす理由とは?無理に捨てなくてもいい
ものを捨てなければいけない理由とはなんでしょうか。おそらく、収納に収まらないほどのものを抱え込んでいるからなのだと思います。そのせいで、本当にしまいたいものが入らずに、お部屋にものがあふれてしまったり、1か所に入りきらないものを、あちこちに収納する羽目になる、なんてことも。
その結果、なにをいくつもっているか分からずに、また同じものを買ってしまう。それを繰り返して、ものがどんどん増えてくるという悪循環に陥ったり、もっているものを探す手間が増えてしまったり…。ものを捨てるのは、そんな不都合を解決するため。つまり、捨てた方がラクに片付くということなのです。
もちろん、自分が捨てたくないと感じるものまで無理に捨てる必要はないと思います。ですが、だからといってなにも捨てずにいると今あるものとはそのまま暮らし続けることになってしまう。自分のすっきりした暮らしをかなえるには、ある程度ものを捨てることも必要。そう頭の片隅で理解しておくことも大切だと感じます。
「捨てなきゃ」と思いこむ片付けはやめた
片付けは「楽しいもの」というより「苦しいもの」という印象をおもちの方も多いと思います。ですが、もしかしたらそれは「捨てなきゃ」と思って、捨てるものを探しているからではないでしょうか?
私も片付けを始めたばかりの頃は「なにを捨てるか?」と考えていたので、トレーニングをするように、苦しさに耐えながら片付けをしていたように思います。その結果、捨てたあとに後悔したものもありました。でも、そうなった理由は捨てなくてもよいものの判断もできていなかったからなのです。
年を重ねていくうちに、苦しいと感じるのは、捨てるものを選ぼうとしているからだと気付きました。それからは、捨てなきゃと思う前に、「なぜ片付けをしたいのか」という理由を考えるようにしたんです。すると、片付けは苦しいという気持ちに変化が生まれました。