「いつか着るかもしれない…」と思いクローゼットのなかがごちゃついてしまっていませんか? 片付けの仕事で数多くの散らかったおうちを訪問することが多い、時間×片付けコンサルタント・下村志保美さんによると、衣料品にも賞味期限があるそうです。今回はその手放し方をご紹介します。
衣料品にも「賞味期限」がある
片付けのなかで、とくに“捨てどきがわからない”もののひとつが、洋服やバッグ、靴などの衣料品です。
片付けの仕事でたくさんのお客さまの家へお伺いしますが、50代半ば以上の方が「これ、どうしましょう」とクローゼットの奥から引っ張り出してくる洋服で多いのが、肩パッド入りのジャケットやスーツです。
私自身、バブル時代に青春を謳歌していた身なので「懐かしいですね~」と、共感はできるものの、令和になった今、肩パッド入りの服を着ている方はあまり見かけませんよね。仮にパッドを外したとしても、デザインも昔のものですし、ボタン、繊維など使われている素材も経年劣化しています。
また、30年以上も前の服が、50代以降の自分の顔や体型にフィットする可能性は低いと言わざるを得ません。お客様に「この服を着て、自信をもってお出かけできますか?」と尋ねると、ほとんどの方が「できません!」と即答されます。
そう、服には“賞味期限”があるのです。バブル期の洋服は極端な例かもしれませんが、「なんとなく買ったものの着る機会がない服」、「買っただけで満足してしまった服」が、チリも積もれば状態となり、部屋のスペースを圧迫している例は多いもの。
着ない服にお金を払い、そしてまた置き場所にお金を払っている…まさに、貯まらない行動の典型的な例になります。
洋服は、試着をして着ない理由を再確認
そこで私がおすすめしている方法は、着られるけど普段着ていない服を身に着けてスマホで写真を撮る方法です。家族と同居している方は、家族に写真を撮ってもらってもいいですし、そうでない方は自撮りでも構いません。
コツは“鏡ではなく写真撮影”にあります。なぜならば、人は鏡の前だと無意識にポーズを取ってしまうから。普段の立ち姿、体型、顔色、ヘアスタイル…。“着ていない”洋服には、今のあなたとのギャップが、なにかしら潜んでいます。
「丈が短くて古くさい印象」、「顔がくすんで見える」などの気づきがあるかもしれませんね。その気づきこそ、洋服の賞味期限。すなわち、着ていない服とのお別れどきです。
それでも迷う場合は、こんな問いかけをしてみてもいいでしょう。「この服を着て、新しい洋服を買いに行けるのか?」。賞味期限を過ぎた服を思いきるためのいい判断材料になります。
また最近は、ウェーブ、ストレート、ナチュラルなど、自分の体型に合った洋服を選ぶ「骨格診断」という考え方も浸透してきています。一度、プロに自身の骨格を診断してもらい、その結果に合わない服を整理する…というやり方もいいと思います。