自由気ままに行きたい場所を旅する「ひとり旅」。憧れたことがある人も多いのではないでしょうか? ひとり旅初心者であれば、最初のうちは旅行の準備と計画をしっかりして行ったほうが無難、と「ひとり鉄道旅」をこよなく愛する、漫画家&文筆家のやすこーんさんは言います。今回、ひとり旅をする1か月前に必ずやっておきたいことを教えてもらいました。
すべての画像を見る(全4枚)ひとり鉄道旅を始めたきっかけ
もともと旅行は大好きで、友達や妹と、海外含めあちらこちらに行っていました。たいていの目的は観光。初めて行く場所なら、有名な観光地はもちろん、美術館や博物館へ足を運び、名物の食べ歩きもたくさんしました。
最初にちゃんと「ひとり」で「鉄道旅」をしたのは、じつはしかたなく、でした。その頃描いていた、『たまごっち』漫画のサイン会で、博多にひとりで行かなくてはならなくなったのです。
その頃、飛行機が苦手で(今は平気)、できれば飛行機は使いたくないなあ…と思いながらコンビニの雑誌棚をながめ、目に止まったのが「寝台列車の旅」という本でした。
ブルートレインってなに? というくらい、鉄道にはまったく興味がなかったのですが、ホテル好きだった私は、列車に泊まれるなんておもしろそう! と俄然興味をもちました。しかも「寝台特急はやぶさ」に乗れば、博多駅まで1本で行けます。どうせなら終点の熊本まで乗ってみたい。でもひとりで17時間半も列車で過ごせるかな…?
結局、好奇心のほうが勝ちました。車内販売がないから駅弁とお酒を大量に買い込んで、「寝台特急はやぶさ」のB寝台個室にこもりました。お酒を飲みながら街の灯りをながめ、駅弁を食べながら過ぎていく景色をかみしめる…。
この時間がものすごく楽しくて、充実しまくりでした。列車の揺れと音で全然寝られませんでしたが、それでも楽しかったのです。その上、ひとりなのにまったく寂しくない! これは意外でした。そして帰りはA寝台個室で帰りました。
それが16年ほど前のこと。いつの間にか鉄道は、ただの交通手段ではなく、乗ること自体が目的のひとつとなりました。
今回、私がたくさんの「ひとり鉄道旅」をしてきたなかで、経験から学んだ、ひとり鉄道旅に欠かせない計画と準備について紹介します。