透明感のある肌に、春らしい淡いピンクのシャツが素敵な原田知世さん。鶴瓶さんと共演する最新出演映画とともに、50代から始めた趣味のこと、また自身が今、幸せを感じることについてまで、お話しいただきました。
すべての画像を見る(全2枚)尊い愛の形を、しっかりと演じきりたい
「奇跡のような実話を基にした素敵な映画です。温かな愛に満ちた夫婦の絆に脚本を読みながら涙が止まりませんでした。(笑福亭)鶴瓶さんとの共演もとても楽しみでした」
3月7日から公開中の出演映画『35年目のラブレター』について、そう話してくれた原田さん。貧しい家に生まれ、読み書きがほとんどできないまま大人になった西畑保(鶴瓶さん)は、定年退職を機に最愛の妻・皎子(きょうこ)(原田さん)にラブレターを書こうと決意。夜間中学で「あいうえお」から学び始める…というストーリーです。
「つらい過去を背負っている保さんと同じく、私が演じた皎子さんも、戦争で両親を失くし、姉と懸命に生きてきた人。そんな2人のささやかな暮らしのなかにはいつも笑顔があって、2人だからこそ生まれた尊い愛の形を教えてもらえた気がします。皎子さんの保さんを思う気持ちには母のような優しさがありました。だれかの幸せを自分の幸せと心から思えるってできそうでなかなかできないこと。彼女はときどき、心の内とは裏腹なことを言うのですが、じつはそれがみな保さんのための言葉で…。そんな愛情のひとつひとつを丁寧に演じたいと思いました」
新しい現場は今も緊張します
多くの作品に出演している原田さんですが、鶴瓶さんとの共演は今作が初めて。どのように作品づくりを進めたのでしょうか。
「鶴瓶さんはとても自然体で、その役にすっと入っていける方。撮影中に芝居についてのやりとりはほとんどなかったですね。そばに寄り添い、保さんを演じる鶴瓶さんを見て感じる。それだけを大切にしていました。和やかな時間の中で自然と夫婦のいい空気感が生まれたような気がします。そこはほかの作品とは少し違ったかもしれません」
大人になると、新たに出会う人との関係づくりや距離感に悩むことがありますが、「私も新しい現場には今も緊張しますよ」と原田さん。
「あまり考えすぎると自分のバランスを崩してしまうから、今はできるだけシンプルに物事を捉えるように心がけています。心の赴くまま。それがいちばん大切かなと思います。そうすると不思議と思いが真っすぐに届いたりするものですよね。鶴瓶さんはいつも和やかな空気をつくってくださる方でしたので、私もそばにいてすごく自然体でいられました。今作は美しい奈良を舞台に、夫婦の尊い愛の絆を描いた物語。くすっと笑えて泣けて心が温かくなる作品ですので、幅広い世代の方に届いてほしいです」