50代での義実家の片づけが、すっきり暮らしへのモチベーション
わが家に隣接して建つ、義理の両親の家。義父が施設に入ったあと、義母はひとり暮らしをしていましたが、その義母が亡くなり、初めて寝室に足を踏み入れたときには驚きのあまり声が出ませんでした。
視界に飛び込んできたのは、服や本、雑貨が積み上がってできた山、山、山…。よくよく見れば、山に囲まれるようにして生活スペースがあいており、そこで義母が暮らしていたことがわかりました。存命中の義母の言葉の端々からは、戦前、戦中、戦後の厳しい時代を生きてきた昭和ひとケタ世代の“もったいない精神”が感じられていたものの、まさかここまでとは…。
夫と2人、しばらくあぜんとしていましたが、ここを片づけるのは私と夫しかいません。意を決して山をひとつひとつ崩していくと、出てきたのは義母が新婚旅行で使った革ばりのトランクや、義父が士官学校時代に使っていた専門書など、使いようのないものばかり。結局、義母がいつも大切に使っていた食器類のみを譲り受けることにして、そのほかはすべて廃棄するしかありませんでした。それらをすべて精査してゴミ袋に入れるだけでも、1か月ほどかかったでしょうか。
すべての画像を見る(全3枚)私が今、すっきり暮らしたいと意識しているのは、この経験が大きな影響を与えていることは間違いないと感じています。こんな大変なこと、娘には絶対させたくないと思うから。
この世を去ったあと、だれにも迷惑はかけないように。少なくとも、娘や息子に、「お母さん、なんでこんなものとっておいたの?」と言われないように。そんな気持ちが、ものを手放す私のモチベーションになっています。
書籍『元専業主婦・今ユーチューバー64歳、やめて捨てたら手に入った、幸せな暮らし』(扶桑社刊)では、子育てで物の多い生活を強いられてきたライフさんが、大物や服捨てに目覚めた経緯と、おおざっぱな性格でもすっきりした家をキープする整理術を紹介。さらにYouTubeでもっとも反響があった、60歳を境に大きく変わった友人関係についても深堀りした1冊です。
