フランス人の服の選び方や買い物の傾向を紹介します。まだ寒さが続くなか、冬のセールはそろそろ終盤。フランスでも国が定めるセール期間は2月初旬に終了します。フランス人は「10着しか服を持たない」と言われながらもセールが大好きだそう。彼女たちは本当に「よいものを長く着る」のでしょうか?フランス文化研究者で、フランス人の夫を持つペレ信子さんがその実態をレポートします。

フランスのショウウィンドゥ
おしゃれでいるためのコツとは?(※画像はすべて著者撮影のイメージ写真です)
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自分のスタイルや服を買うときの自分なりのルールは大人になりながら習得される

ショウウィンドウの犬

フランス人たちは流行は追わずによいものを長く着ると言われていますが、実際によいものを買ったらどのくらい長く着て、それはどうやって選んでいるのでしょうか?

大学生のフランス人の女の子たちのファッションを考えると、みんな節約しながらなんとかおしゃれに見えるように工夫しています。ひとり暮らししている大学生は倹約していますが、高校生は親元で生活していることもあって少し余裕があるらしく、流行を追っている子が多くいる印象です。

昔、ファストファッションと言われるブランドが少なかった頃も、縫製が雑な安い洋服のチェーン店はありました。中学生から高校生の彼女たちはまだ年上の女性のように自分のおしゃれが確立しているわけではなく、安いもののなかからいろんな服を試しているように感じます。

自分のスタイルが決まったら買うものも自然と減っていく

ニット帽、デニムスタイルのマネキン

そうして試行錯誤した後に、自分に似合うものやスタイリングのルールがわかった少女たちは大学生になります。大学生は学業に忙しく、そのうえひとり暮らしを始めることが多いので、ファッションに時間やお金を費やすことが難しくなるのがフランスの特徴です。

それまで培った自分のセンスとルールに従って、少ない予算のなかからおしゃれを楽しみます。そうすると、たとえば女友達同士で洋服を交換し合ったり、ボーイフレンドや親の服を着たり、古着屋に通ったりとお金を使わないで自分のスタイルを実現できるよう工夫をします。最初から自分のスタイルが確立していたわけではなく、フランス人もトライ&エラーで試しながら学んでいくのです。