脳卒中や心筋梗塞など、血管に関わる病気が日本人の死因の上位にランクインしています。血液がドロドロの状態になり、血管が老化すると、これらの病気を発症しやすくなります。そこで、扶桑社ムック『まいにち血液サラサラみそ汁』の監修者で、栗原クリニック東京・日本橋の院長を務める栗原毅先生に、血液をサラサラにするために、すぐに習慣化したいことを教えてもらいました。

歯磨き・舌磨き
歯磨き・舌磨きが血液サラサラに効果的 ※画像はイメージです
すべての画像を見る(全10枚)

1:「歯磨き」で歯周病を防ぐ

血管は年齢とともに自然に老化していくものですが、日々の生活や食習慣、ストレスなどによって、血液はさらにドロドロになり、血管の老化が加速します。

毎日必ずする「歯磨き」は、じつは血液サラサラのために大切です。歯磨きをおろそかにすると、歯周病菌が増殖、拡散します。歯周病菌は歯周ポケット内で、歯周組織を壊し、炎症を広げていきます。歯周病菌がもたらす毒素が歯肉の血管に入り込んで全身へと広がり、血管を傷つけることで動脈硬化を促進し、心疾患や脳卒中のリスクを高めるのです。毎日しっかり歯磨きすることで、歯周病菌を減らすことができます。

歯ブラシで歯を磨くだけでなく、舌ブラシで舌をきれいにするのもおすすめです。口内が清潔になるだけでなく、味覚がクリアになり、みそ汁のうま味や食事のおいしさをより豊かに感じられるようになります。

2:「水分」をしっかりとる

また、1日に必要な水分量をしっかりとることも大切です。血液にも多くの水分が含まれており、水分が不足すると血液が濃くなって粘度が高くなり、血流が悪化。酸素や栄養素が全身に行き届かず、さまざまな体調不良を起こします。

3:「ストレス」をためない

ストレスも血液がドロドロになる原因のひとつです。強いストレスがかかると、自律神経が乱れます。自律神経には交感神経と副交感神経があり、交互に働くことで心身の健康が維持されています。ストレスで交感神経が優位になると血管が収縮し、活性酸素を発生させて血液がベタベタになってしまいます。
リラックスして副交感神経を優位にすることで、血液の流れもスムーズになります。趣味に没頭したり、軽い運動をしたりと、リラックスする時間をつくりましょう。

4:「質のよい睡眠」で血管・血液をメンテナンス

睡眠不足

 

睡眠時間が短い、眠りが浅いなどの睡眠の質が悪い状態が続くと、血液中に老廃物がたまり、血液がドロドロに。

血管

 

質のよい睡眠をとることで、血管・血液をメンテナンスされます。

睡眠には、ほかにもさまざまなメリットがあります。まず、自律神経のバランスが整い免疫力が向上します。また、脳内の老廃物が排出されたり、成長ホルモンが脂肪の燃焼やアンチエイジングを促進したりします。さらに、メラトニンの分泌が促されがんや老化を抑制します。

質のよい睡眠をとるためには、就寝、起床の時間をなるべく一定にすることが重要です。休日に寝だめするのは避け、平日も休日も同じ時間に就寝、起床するように心がけましょう。起床時にカーテンを開けて日光を浴びるようにすると、体内時計がリセットされ、スッキリと気持ちよく起きることができます。

眠る環境を整えることも大切です。スマートフォンやパソコンのブルーライトには覚醒作用があるので、就寝前はできるだけ見ないようにしましょう。寝具は清潔に保ち、自分の体に合った枕などを選ぶことも重要です。

また、食事やカフェイン、アルコールの摂取は就寝3時間前までにすませましょう。寝る前のコーヒーをホットミルクに替えるなど配慮することによって、睡眠の質が変わります。