さまざまな不調をまねく「冷え」。これからの季節はとくにアツアツの食べ物で体を温めたいものですが、体を温めると思って食べていたものがじつは逆効果だったなんてことも…。今回は、「意外と知らない、体を温める食習慣」について、医師の石原新菜さんと漢方専門家の櫻井大典さんに教えてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)「朝」の温活食習慣
まずは、温活にまつわる「朝」の食生活での疑問についてご紹介します。
●Q:起きぬけに白湯を1杯飲む
→A:△習慣で飲んでいるならあまり意味はありません
白湯自体には、体を温める効果はあまりありません。
「体内の水分量が増えると、結果的に体は冷えることに。体を温めるためなら、飲む必要はありません。のどが渇いたときに温かいものをひと口ずつ、がベストです」(櫻井先生)。
また、白湯を飲むなら温活食材のちょいたしがおすすめ。
「ショウガ、シナモン、はちみつ、黒糖、梅干しなどを加えます。温活効果がプラスされますよ」(石原先生)
●Q:朝食に温かいおみそ汁を飲む
→A:○冷えた体を温めるおみそ汁やおかゆがよし!
起床時は、体温がいちばん低い時間帯。朝食に体温よりも冷たいものをとると、筋肉や組織が収縮して、血流が悪くなります。さらに、冷えた体を温めるためのエネルギーも消費して、朝から疲れる原因に。
「おみそ汁など温かいもので体を温めると、筋肉がゆるみ、血流が巡りやすくなります。1杯でおなかも満たされるおかゆもおすすめです」(櫻井先生)
●Q:グリーンスムージーで栄養をチャージする
→A:体温より低い温度の食べ物はなるべく避けて
体を冷やさない、という意味では×。体温より低い温度の飲食物は、とくに冬場の体には負担大。
「胃腸の温度は、消化酵素と腸内細菌を働きやすくするため、いつも38℃前後に保たれています。生もので胃腸の温度を下げると、体調にも影響が。野菜はみそ汁やスープなどでとりましょう」(櫻井先生)。
それでも飲んだ方がスッキリする場合は、素材を選んで。
「体を冷やしにくい寒冷地原産のリンゴと、ビタミンやミネラルが豊富で体が温まるニンジンがおすすめです」(石原先生)
「昼」の温活食習慣
つづいては、「昼」の温活食習慣について。
●Q:ティータイムはショウガ紅茶でひと息つく
→A:○ ショウガを加熱・乾燥させると温活効果がアップ
ショウガを加熱・乾燥させると、成分のジンゲロールがショウガオールに変わり、温活効果が高まります。
「ショウガ、シナモン、黒糖を豆乳で煮出したところに紅茶を加えたチャイ風飲料もおすすめ」(櫻井先生)。「市販品の『蒸しショウガパウダー』も、手軽に使えて便利ですよ」(石原先生)
さらに、とろみで体内でも温かさが持続するくず湯や、カカオポリフェノールで血流を促すココアもおすすめです。